azbilグループにおける取り組み

基幹系システム更新

azbilグループ全体のIT基盤を刷新

イメージ:基幹系システム更新 azbilグループ全体のIT基盤を刷新

アズビル株式会社は、グローバル化を支えるデジタル基盤を新たに構築するため2015年に
SAPを採用した基幹系システム(ERP)更新を行いました。

受注・生産からプロジェクト管理まで幅広い領域を、アドオン開発を最小限にしてカバーできるようにし140以上のシステムを1つに統合できました。
アドオン開発を抑えて標準化を進めたことで、構築したシステムモデルをさまざまなところに適用可能となりました。
その後azbilグループ各社への展開と並行してSAP S/4HANAへコンバージョンを同時に進めています。

新型コロナウイルスのため、在宅勤務でプロジェクト対応
〜ITツールを活用して〜

イメージ:アズビルのプロジェクトメンバー

現在進行中の基幹系システム(ERP)、製造実行システム(MES)導入プロジェクトでは、グループ会社、製造拠点、アズビルのプロジェクトメンバーが参画し、一箇所に集合して、会議/説明会/教育を実施していました。しかし、新型コロナウイルスの影響で製造拠点への訪問が制限され、在宅勤務でのプロジェクト遂行を余儀なくされました。

ここで重要なことは、プロジェクトメンバーの共通認識を維持するために正確な情報をタイムリー共有することです。

プロジェクトメンバー全員にWEB会議が出来る環境を用意し、情報共有*1を行いました。対面での会議に比べて、最初は時間が掛かりますが、慣れることにより、今までの移動時間を有効活用でき、当初の計画通り、プロジェクト遂行させています。また、導入システムが全てクラウド上で稼働しているため、リモートでも正確な情報が共有でき、クラウドシステムの有効性が発揮されました。

(*1)以下を実運用ユーザーとプロジェクトメンバーがリモートで実施

  • テストシナリオ作成
  • 操作教育資料の作成
  • 操作教育

製造現場からの試行導入
〜時間に追われ、運用移行が難しい現場から〜

システム導入は、業務運用の刷新を伴う場合が多く、本番稼働時に多くの運用移行を複数工場で実施することは、稼働リスクが大きくなります。リスク低減のために運用シミュレーションを行いますが、製造現場の業務はデスクワークと異なり、運用シミュレーションは難しく、本番稼働後に課題が顕在化し混乱を招きかねません。

このため、製造現場の情報化を担う製造実行システム(MES)を、基幹系システム(ERP)に先行して製造現場で試行導入することによって、人の動線/作業タイミング/タクトタイムなどを、実際の製造作業と照らし合わせて確認を行いました。工程単位など部署の負荷に合わせて実施することで実運用ユーザーの負荷も調整できます。試行導入準備として、マスター情報が必要になりますが、試行導入の段階では製造拠点に存在する固有マスター情報を利用し、変換ツールを用いて1ヶ月程度で準備出来ました。

イメージ:製造現場からの試行導入

今後の本番と稼働後の目指す姿
〜製造現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けて〜

基幹系システムの更新に加えて、製造実行システム(MES)の導入を進めた背景には、製造現場のDX推進がありました。工場全ての情報をデジタル化するには莫大な投資、時間が必要になります。そこで、業務負荷が高く導入効果が迅速に図れる業務として、生産変更(納期変更、仕様変更)に対応するために生産管理担当が、現場を回って製造工程の進捗、部品在庫数など現物を確認している現状を見つけました。この業務を改善するため、現場に行かなくても状況を把握できるようにデジタル化を行いました。試行導入での評価として、情報が不完全でしたが、不足情報を認識できたため本番稼働までに改善できる見込みが立ちました。さらに、間接部門の担当が、現場から離れた場所でリモートワークが出来る環境に近づきました。

今回の製造実行システム(MES)は、クラウド環境で構築しているため、セキュリティが担保された通信ルートにより、本社や海外を含めた複数製造拠点の管理も可能になります。製造拠点間の情報連携も容易になることから、製品の製造移管など、環境やソフトウエア構築における負荷が軽減されます。

蓄積された製造情報をBIツールなどで可視化し、データで評価できる製造現場にすることで、製造実行システム(MES)を製造現場における情報のHUBとして、これからもDXを推進します。

製造現場の悩み

  • 製造現場のデジタル化に時間を掛けられない
  • 古い個別システムが刷新出来ない(人材、コスト)
  • 製造状況(生産進捗、在庫など)がリアルタイムで把握できず、非効率な作業が多い
イメージ:製造現場の悩み

クラウド製造実行システム機能一覧

  • 在庫管理
    • 入出庫予実管理
    • 在庫移動
    • 在庫棚卸支援
  • 入荷管理
    • 受入予定管理
    • 現品ラベル作成
    • 受入入庫実績登録
  • 出荷管理
    • 出荷指示
    • 帳票データ作成
    • 出荷実績登録
  • 製造管理
    • 製造予実績管理
    • 製造指図
    • 工程作業・ピッキング指示
    • 作業完了実績登録
    • 仕掛棚卸支援
  • スケジューリング
    • 製造スケジュール作成・確定
    • 製造スケジュールのシミュレーション
  • トレーサピリティ
    • 収集テータの保存
    • トレ一スバック
    • トレ一スフォワード
  • 設備管理
    • 設備保全予実績管理
    • 保全作業結果保存・参照
  • 品質管理
    • 検査予実績管理
    • 検査作業指示
    • 検査判定
    • 検査履歴保存・参照
    • 検査結果レポート作成
  • SAPインタフェース
    • インポート/エクスポート
    • 項目マッピング定義
    • データ変換・結合・分割

特長

  • 短期間での環境構築(クラウド環境)
  • データ、システムのBCP対策
  • 作業者の運用を変えずに、紙の記録をデジタル化
  • モバイル端末の活用により、ロケーションにとらわれず、業務が可能
  • データの連携や統合が容易なマスター構造により、情報(データ)の活用を加速
  • 必要な機能単位から順次導入

*SAP、SAPロゴ、記載されているすべてのSAP製品およびサービス名はドイツにあるSAP SEやその他世界各国における登録商標または商標です。またその他記載された会社名およびロゴ、製品名などは該当する各社の登録商標または商標です。
*Excelは米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における商標、または登録商標です。

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e-mail:MESinfo@azbil.com