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豆知識
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フィードバック制御
フィードバック制御とは、制御対象の測定値と目標値を比較し、その差を解消するように制御量を決める制御方式のこと。工場における流量制御を例にすると、次のような仕組みになります。
フィードバック制御系の仕組み
図は、流量を制御するプロセスを表したもので、制御対象は配管を流れる流体の量になります。流量は、配管に取り付けられた調節弁の開度により調整され、流量計がその実流量を測定します。測定値は調節計に入力され、そこで、調節計にあらかじめ設定しておいた目標の流量(目標値)との偏差から、目標値に一致させるために必要な操作量(調節弁の開度)を算出、調節弁に開度指令が送られます。
- ① 配管を流れる流体の実流量を流量計で測定し、測定値を調節計に入力。
- ② 測定値と目標値との偏差から操作量を調節計で算出し、調節弁に開度指令を出力。
- ③ 調節計の指令により調節弁が開閉し、流量を調整。
- ④ 調整された流量を流量計で測定し、調節計にフィードバック。
このようにフィードバック制御は、常に実流量が調節計にフィードバックされ、それを基に操作量の見直しを行い、調節弁の開度を調整して、流量を制御するという一連の動作を繰り返し回し続けるので「閉ループ制御」とも呼ばれています。
しかし、同じ弁開度でも配管内の圧力が変わると流量が変わってしまうなど、必ずしも一定の条件下で制御できるとは限りません。こうした操作対象(弁開度)とは異なる影響因子を「外乱」と呼びます。フィードバック制御は、外乱の影響も測定値として制御に反映されるので、適切に調整していけば目標値に確実に一致させることができ、かつ高精度であることが最大のメリットです。そのため、一定の温度管理が必要な食品加工工程における制御や空調機の温度制御など幅広い分野で用いられています。
(監修:東京理科大学 創域理工学部 教授 野口 昭治 氏)