azbil Technical Review 一覧(2017年4月)

2017年4月 特集:新たな情報技術潮流における「人を中心としたオートメーション」

  1. 全文 (PDF/9,710KB)
  2. 巻頭言:システム制御の役割って何だろう
    東京工業大学 工学院 畑中 健志
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  3. 特集に寄せて:IoT時代を迎えたazbilグループの取組み
    アズビル株式会社 執行役員常務 ITソリューション本部長 新井 弘志
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特集論文

  1. 自在 調節計におけるファクトリーオートメーション領域でのローカルコンピューティング機能
    アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニー 岩切 研
    アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニー 相川 智彦
    IoT(Internet of Things)時代におけるファクトリーオートメーション(FA)領域でのローカルコンピューティングに対応した調節計形C7を開発した。制御に使用するPID演算の結果を基に制御特性の変化を指標化し、制御系の状態変化を捉えることを可能にした。この指標を継続的に監視することで、異常の予兆を知ることが可能になる。
    製品にはタッチパネル液晶を採用し、制御特性の変化を見やすくする、表示部と制御部を分離させ様々な場所に設置できるようにするなど、お客様に感じていただける「簡単」を追求した。また、調節計の各機能をブロック構造とすることで、市場要求による機能追加や入出力点数の増減に迅速に対応できるようにした。
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  2. 進化 IoT時代におけるロバスト性の高いヒストリアンの開発
    アズビル株式会社 ITソリューション本部 楜澤 武志
    アズビル株式会社 業務システム部 菊地 健一
    あらゆるものがインターネットにつながるIoT(Internet of Things)時代を迎え、これまでセンサデータの収集と蓄積に用いられてきたヒストリアンがより重要な位置を占めるようになると考えられる。これまでのセンサデータの蓄積のみならず、より高度な実績データの生成機能を実現するとともに、よりロバスト性を向上させるためのデータ冗長機能、経路冗長機能を備えたヒストリアンePREXIONTMを開発した。
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  3. 進化 新型LPガスメーターによるシステムスマート化とIoTの実現
    アズビル金門株式会社 湖東 裕治
    アズビル金門株式会社 石倉 伸吾
    アズビル金門株式会社 鈴木 智恭
    ユーティリティメーターのスマート化に対する期待は世界的に高まっており、日本国内でもスマートメーターが普及期を迎えると予想されている。今回開発した新型LPガスメーターは、高い信頼性と長い実績を持つ膜式を採用しながら、メーター構造や磁気センサ配置の最適化により計測分解能を向上させるとともに、通信端末内蔵スペースを確保し、各種通信方式のモジュールを選択できる構造とした。Low Power Wide Area(LPWA)など次々と登場する通信方式に対応できるInternet of Things(IoT)時代に備えたスマートメーターである。
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  4. 進化 プラントの安全・安心操業に貢献するバルブ解析診断サービス
    アズビル株式会社 ITソリューション本部 石原 亨
    アズビル株式会社 ITソリューション本部 青田 直之
    アズビル株式会社 サービス本部 山﨑 史明
    プラントを操業している顧客の中には、バルブの状態を把握するために大量のデータを保持しているが、そのデータは必ずしも有効に活用できていない状況がある。アズビルではこのような課題を解決するために、バルブ解析診断サービスを提供している。このサービスでは、これまでバルブメンテナンスのエキスパートが獲得してきた知見に基づき、大量のデータを効率的に解析して、解析診断結果を分かりやすく報告することで、顧客が生産設備を安全で安定的に操業することに貢献している。
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  5. 調和 ビル管理業務の効率化に貢献するビル向けクラウドサービスの開発
    設備オペレータにベストプラクティスを提供する設備保全管理機能

    アズビル株式会社 ITソリューション本部 高橋 哲也
    アズビル株式会社 ITソリューション本部 関根 摩耶
    アズビル株式会社 ITソリューション本部 潮田 尚史
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 森 達也
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 森山 真一郎
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 伊藤 伸樹
    ビルの管理業務を支援する、「ビル向けクラウドサービス」のメニューの1つとして、設備保全管理機能を開発し、サービス提供を開始した。本機能は、ビルの各種設備を管理する設備オペレータの日常業務を支援することを目的とし、“Share Best Practices”という開発コンセプトの実現に向けて機能を設計した。本稿では、日々蓄積される多種多様で膨大な履歴を活用して日常業務を支援する機能や、計画立案を支援する機能を中心に紹介する。
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  6. 調和 IoT時代におけるスマートトイレとビルディングオートメーションシステムの統合システム開発
    アズビル株式会社 ITソリューション本部 鈴山 晃弘
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 福田 一成
    ビルの衛生設備機器の1つであるトイレは、機器内部の各種センサ情報を使用し、高度な節電・節水機能を実現している。一方で、近年のIoT(Internet of Things)の進展を背景に(1)、トイレにおいても外部ネットワークとの連携による新しい付加価値が期待されている。そこで今回、TOTO株式会社のスマートトイレ機器とBA(Building Automation)システムの統合システム開発に取組み、その実証試験として実物件にて各種トイレ用衛生設備機器とBAシステムをBACnetで接続した(2)。実証期間におけるトイレ使用状況のデータはアズビルクラウドセンターのサーバに長期間蓄積しており、データを集計・分析することで、設備保全・設備設計に価値のある情報を得ることができた。
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一般論文

  1. 融合 A Vial Loading System with Non-Contact Drive Mechanism Using Magnetic Technology
    Azbil Telstar Technology S.L.U. Xavier Gomez Garcia
    アズビル株式会社 技術開発本部 Hisashi Beppu
    アズビル株式会社 技術開発本部 Mitsuharu Tanaka
    アズビル株式会社 技術開発本部 Yoichi Okawa
    近年、医薬品の凍結乾燥装置の分野において自動搬送装置の需要は高まってきている。製品品質が直接人体に影響を及ぼすことから、このような製造装置には高い清浄度、無菌状態を維持することが求められる。従来はシリンダ式のプッシャやベルト式の搬送装置が利用されているが、これらはベローズやガイド構造に狭小な溝を有するため洗浄性が悪く、また装置の滅菌処理に課題があった。Azbil Telstarでは従来の送りねじに替え、磁石で作られたナットと磁性材によるねじ軸とが磁気的結合力により非接触で駆動力を発生させる磁気ねじを用いた新しい自動搬送装置を開発した。ねじ軸は表面が平滑なステンレスカバーで封止され、ナットを搭載したスライダがチャンバ内外に設置されたねじ軸に沿って移動して製品を搬送する構造で、ベローズカバーを不要とした洗浄作業性の向上、チャンバ内に移動するすべてのパーツを炉内で蒸気滅菌できる無菌性の向上、そしてRear Pusherの廃止とFront Pusherの短縮による装置の小型化を実現したのでここに報告する。
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  2. 自在 装置搭載向けに小型化し、耐ノイズ性を向上させたマスフローコントローラの開発
    アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニー 舘山 哲也
    ファクトリーオートメーション(FA)市場の中でも製造装置に搭載されているマスフローコントローラには、性能や機能よりもコストやサイズが重視されるものが多い。その市場要求に応えるため、コストやサイズを抑えると同時に、装置搭載用途向けに必要な性能・機能と使いやすさを考慮し、また従来品よりも大幅に耐ノイズ性能を向上させ、ノイズ源の近くに設置されても影響を受けないよう考慮したマスフローコントローラを開発した。
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  3. 進化 ビルディングオートメーションシステムのエンジニアリング作業効率化に貢献する新しいエンジニアリングツールの開発
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 小柳 貴義
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 勝見 智行
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 木原 知枝
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 沖村 俊郎
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 西 賢
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 本多 香織
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 清田 英男
    savic-net™ G5向けエンジニアリングツール(PC Engineering Tool for savic-net G5)は、新たに開発したビルディングオートメーションシステムsavic-net G5を迅速に立ち上げ、調整作業の省力化を目指したエンジニアリングツールである。従来と比較してユーザビリティや開発効率を向上させるため、基本となるユーザーインターフェース(UI)と共通機能をプラットフォームとして定義し、様々なエンジニアリング機能をアプリケーションとして実装した。
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  4. 快適 戸建住宅向け全館空調VAVシステムの開発
    アズビル株式会社 技術開発本部 森川 誠
    アズビル株式会社 技術開発本部 松浦 友朋
    アズビル株式会社 技術開発本部 地下 久哉
    アズビル株式会社 技術開発本部 小貝 和史
    アズビル株式会社 技術開発本部 上運天 昭司
    アズビル株式会社 技術開発本部 田中 裕造
    戸建住宅向け全館空調システム「きくばり™」を対象とし、各室の風量を室温と設定温度に応じて自動制御できるVAV(Variable-Air-Volume)システムを開発した。本システムは、各室風量制御用のVAVダンパ、VAVダンパを制御するVAVコントローラ、各室温度設定用のVAVリモートコントローラ、独自の空調制御アルゴリズムを搭載した空調コントローラから構成され、住宅の熱負荷の変動が大きい場合や居住者の温度ニーズが多様な場合でも快適な温度環境を提供する。加えて従来「きくばり」比25%以上の省エネルギー化を実現した。
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  5. 快適 快適・省エネヒューマンファクターの技術開発
    居住者満足感に基づく室温変動制御

    アズビル株式会社 技術開発本部 三浦 眞由美
    アズビル株式会社 技術開発本部 上田 悠
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 水谷 佳奈
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 原山 和也
    アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 太宰 龍太
    慶應義塾大学 伊香賀 俊治
    室温変動環境に着目し、温冷感/満足感/ストレス/疲労といった人的要素(ヒューマンファクター)と室内環境との関係について被験者実験を行なった。その結果、室温を26℃~28℃で周期的に変動させる室温変動環境が、室温26℃一定環境と同等以上の居住者満足度を実現できること、また、室温一定環境と比べて室温変動環境では被験者のストレス蓄積が抑制できることが分かった。室温変動を実オフィスで実現する際に室温設定値の追従性を向上させるために考案したAG(Actuator Gain)連動制御についても紹介する。
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5つの戦略技術領域
azbilグループは事業を取巻く環境変化に対応し普遍的な価値を提供すべく、5つの戦略技術領域を定め研究・開発を進めています。
融合=人間・機械融合システム技術
自在=自在計測制御技術
進化=わかる化プロセス情報技術
調和=環境調和計測制御技術
快適=快適空間計測制御技術