HOME > デジタルトランスフォーメーション(DX)

デジタルトランスフォーメーション(DX)

社内DXにより事業基盤を強化するとともに、商品DXによりお客様付加価値を創造します。

執行役員常務
azbilグループDX推進担当
伊東 忠義

オートメーションの果たすべき役割と機会は拡大、DXを通じた「仕事と働きの創造」により提供価値の向上を図る

azbilグループでは、DXを推進するにあたり、地球環境、事業環境、技術潮流、社会のニーズの変化によって、デジタル化を前提とするオートメーションが果たすべき役割と機会が拡大していると認識しています。この認識の下、事業活動における社会課題の解決への貢献、およびデジタル化を通じた「仕事と働きの創造」による提供価値のさらなる向上を進めています。事業活動における生産性を大幅に向上させ、私たちの働き方の創造につながる変革を社内DX、お客様の生産や建物運用の持続可能性を進め、新たな付加価値の創造に貢献するサービスを商品DXとして展開を行っています。

営業・エンジニアリングや生産拠点、開発部門等で社内DXを推進、成果が拡大

社内DXでは、「仕事と働き方の創造」の取組みとして、営業・エンジニアリング部門において、受注前業務から製作・検査までの業務にて生成AIを活用し、ベテラン社員の知識情報を共有する技術伝承支援の仕組みを導入しています。また、開発部門でも、生成AIによるプログラムソースコード生成、コードレビューの実施や、管理・監視現場システムから得られたデータの機械学習モデル活用等、設計から開発の様々な業務においてDXによる業務効率化を推進しています。生産拠点においても、先進的なクラウドMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)を導入し、運用を開始しています。クラウドサービスのメリットを活かし、リモートワークでのシステム導入教育、在庫管理の精度向上、生産進捗のリアルタイム可視化等、生産現場におけるDXの取組みを拡大しています。また、社内DXを加速するため、全社で利用可能なazbilグループ専用の生成AIサポートツールを立ち上げ、既に7,000人以上の社員が利用しています。また、ローコードツールの普及を行い、300人規模の開発コミュニティの形成、900を超えるアプリが開発されるなど、前年比で2倍以上の規模に成長しています。

商品DXとともに、セキュリティ確保にも専門組織を設置し取り組む

商品DXについても、クラウド技術を中核とした現場提供型サービスの展開をしています。生産設備安定化・保安力強化を実現する、バルブ解析診断サービスDx Valve Cloud Serviceの納入実績としては、2020年度の111事業所から、2023年度には168事業所納入と約1.5倍に増加しました。また、予兆を検知するAIを応用し、お客様の現場で設備の安定運転やオペレーションミス回避、品質不良対策、製造条件の早期確立等を支援するBiG EYESの納入実績は、2020年度の46事業所から、2023年度には106事業所と2倍以上に成長しています。これらの実績は、アズビルの現場力とDXによって、お客様に価値を届けられた事例となっています。また、これらのDXを推進するうえで欠かすことのできないセキュリティ確保については、社内のセキュリティ専門組織であるサイバーセキュリティ室による社内システムから商品・サービスまでの一貫した取組みを行っています。

最後に、私たちのDX推進は自社での取組みだけでなく、お客様とともにDXを進めることにより、相互に影響し合う好循環が、さらなる価値創造へつながると考えております。

azbilグループのDX全体像:社内の変革をお客様・パートナーそして社会の変革へ「直列」に貢献 そしてazbilグループへのフィードバックを次の変革へ

azbilグループのDX事例

azbilグループでは社内DX、商品DXをDX推進の両輪と捉え、取り組んでいます。
2023年度までの事例として、商品DXからビルディングオートメーション事業として展開しているビル向けクラウドサービス、社内DXから全社員がDXに取り組むための基盤として生成AIの活用についてご紹介します。

クラウドサービスで進化するビル管理:エネルギー管理と設備管理業務における利便性の向上

ビルシステムカンパニー
マーケティング本部
プロダクトマーケティング部
海老原 克司

アズビルは、エネルギー管理・設備管理・テナントサービスの機能を「ビル向けクラウドサービス(EM・BM・TS)」として提供しています。これまでの中央監視システムのオプションとして建物内に専用装置を設置する形から、中央監視システムと接続したクラウドを利用する形に変わっています。

クラウドの活用により、エネルギー管理やビル管理業務において、大量のエネルギーデータや設備管理情報の管理・分析が可能になります。また、建物内に限らず、どこからでも管理ができるようになります。さらに、オフィスユーザーは業務用のPCやタブレットを使って、インターネット経由で空調や照明を操作することができ、利便性が向上します。

情報システムにおいて「所有」から「利用」への転換が進んだように、建物管理でもセキュリティを確保しつつクラウドサービスを導入することで、イニシャルコストを抑えながら、導入後も建物運用に合わせてサービス内容を柔軟に変更して利用できるようになります。

本サービスは、現在までにリリース済みのサービスで、約500件の契約をいただいています。今後、クラウドでのサービス提供という特徴を活かしてサービスメニューの追加や機能の改善を進め、お客様にさらなる価値を提供できるように取り組んでいきます。

関連情報
ビル向けクラウドサービス

生成AI活用によるDX推進と全社的な業務改革

生成AI推進タスク
佐藤 適斎

アズビルは、2023年度から組織横断型のタスクチームを立ち上げ、生成AIを活用したDXを本格的に推進しています。タスクチームでは、社員向け利用ガイドラインの作成や社内専用生成AIチャットボットのリリース、全社員教育など、多岐にわたる施策を次々と実施しています。これにより、アズビルの生成AI活用は開始以来、着実に増え続けており、現在では全社員の6割以上が生成AIを活用した業務改革に取り組んでいます。

エンジニアリング部門では、若手とベテランが一丸となり、生成AIを用いた業務改善テンプレートを作成し、知識の共有とスキル向上を積極的に推進しています。この革新的な取組みは、営業やサービス部門にも広がっており、社内全体で生成AIの活用が浸透しています。さらに、業務変革を目指した生成AIの実証開発も進行中であり、その一例である「生成KY(危険予知)」は、過去の作業報告に基づいて生成AIがリスクアセスメントを支援するなど、安全の現場でも活用され始めています。

タスクチームは特設サイトでの情報発信やウェビナー、社員との交流企画を通じて、社員が快適に生成AIを活用できる環境を整えるとともに、今後もAI技術のさらなる活用を積極的に進めていく方針です。社員の生成AI活用の文化を醸成・定着させることで、アズビルはより一層の成長と革新を追求し続けます。

関連情報
社内向け生成AIサービスを全社員へ展開、業務効率化に活用(2023年12月19日)