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マルチエリア対応ユーザターミナル（QJ-1201）

savic-net^TM G5システムに接続可能な最大8エリア対応の表示設定器

1．はじめに

ユーザターミナルとは，オフィスやホテル等にて利用者自身が空調機器の発停や設定温度変更等の操作を行うことができる端末である。アズビルでは，1993年から最大4エリア対応のユーザターミナルであるネオターミナルTM （QY7209）を販売しているが，今回大幅なリニューアルを行った。本稿では，最新のオフィスやホテル空間に調和するデザインに刷新し，最大8エリア対応となったマルチエリア対応ユーザターミナル（QJ-1201）について紹介する。

2．製品概要

マルチエリア対応ユーザターミナルは，最大8エリアの空調機器や照明の状態表示ならびに発停，設定値変更をするための操作端末である。さらに，複数エリアの同時発停操作や中央監視装置で設定されている空調機の発停スケジュールの延長・予約操作が可能になっている。

2.1　デザイン

マルチエリア対応ユーザターミナルの開発にあたり，最新のオフィスやホテルの持つクリーンで洗練されたインテリアイメージとの調和を目指し，空間へ静かに馴染むことをデザインのコンセプトとした。

操作方式としては，静電容量方式のタッチキーを採用することで画面やキーに凹凸のないフラットな表面を実現した。また，全体の色使いによって存在感を強調することなくスッキリとしてシンプルな印象を与えるデザインに仕上げている。さらに，従来よりも小型にすることで，空間に調和する製品となった。

2.2　機能

マルチエリア対応ユーザターミナルの主要な機能を表1に示す。

2.2.1　操作エリア数の拡大

マルチエリア対応ユーザターミナルでは，操作エリアを最大8エリアに拡大したことで，より多くの設定器を1台に集約でき，壁面をシンプルにできる。

2.2.2　予約・延長操作

中央監視装置で設定されたスケジュールを変更することができる機能である。マルチエリア対応ユーザターミナルでは，当日延長運転操作に加えて7日間の空調機器の予約操作が可能となったことでフレキシブルな働き方に対応できる。

2.2.3　CO2濃度設定・表示機能

マルチエリア対応ユーザターミナルで追加されたCO2濃度表示機能により，室内が適切な換気状態にあることを確認できる。また，ユーザーが設定値を変更することにより，ユーザーの要求に合わせた換気制御が可能となった。

2.3　ユーザビリティ

使用シーンに合わせた表示と画面遷移により，ユーザーが必要とする要素をシンプルかつ明快に示すことで，視覚的な分かりやすさと直感的な操作を目指した。また，複数エリアを対象とする端末として全エリア状態の一覧表示画面や一括操作画面，使用エリア数に応じた表示画面（1，4， 8エリア）も用意し，使いやすさに繋げている。

また配色やアイコン，文字等のビジュアル要素については，空間へ静かに馴染むというデザインコンセプトを実現するユーザインターフェースデザインとした。

3．おわりに

今回開発したマルチエリア対応ユーザターミナルについて，従来製品から拡張した機能・デザインを中心に紹介した。今後の表示設定器の製品開発においては，さらなるユーザビリティの向上を追求していく所存である。

＜商標＞
savic， savic-net，ネオターミナルはアズビル株式会社の商標です。
BACnetは，ASHRAEの商標です。

＜著者所属＞
戸﨑　裕太　アズビル株式会社 ビスシステムカンパニー開発本部開発4部
小野寺　淳也　アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 開発本部開発4部

この記事は、技術報告書「azbil Technical Review」の2023年04月に掲載されたものです。