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savic-net™G5コンパクトモデル

ユーザビリティを強化した監視機能を提供する2万m²規模以下建物向け中央監視システム

1.はじめに

アズビルでは長年にわたり建物向け中央監視システムを販売してきた。一世代前までは,①シンプルな機能であるが低価格な管理点数500点以下向けのsavic-net™ FX mini,②壁掛けや自立盤組み込みにも対応した管理点数2,000点以下向けのsavic-netFX2compact™,③多彩な機能選択が可能な3万点以下向けsavic-net FX2といった3つのシステムを販売していた。①や②はサイズや低価格化を実現するために,機能や拡張性に様々な制約があった。

上記③の後継となる最新のシステムとしてsavic-net G5を販売,2023年3月からは上記①と②の後継となる2万m²規模以下の建物向け中央監視システムであるsavic-net G5コンパクトモデルの販売を開始した。

このsavic-net G5コンパクトモデルは,製品サイズをコンパクトに抑えつつ,ソフトウェア面で機能の強化・操作性の向上を図ることでsavic-net G5と同等の操作性を実現した。

本稿では,直感的な操作で,知りたい情報に素早くアクセス可能としたユーザビリティ強化について述べる。

2.製品概要

savic-net G5コンパクトモデルは,監視業務を行うためのユーザーインターフェースである表示部と,データの蓄積・管理のほか,監視・制御機能を集約した制御部が一体化されたコンパクトな製品である。

壁掛けタイプをはじめとして様々な設置場所に応じて選択可能な4つのラインアップを用意した(図1,表1)。

これにより従来製品であるsavic-net FX mini,savicnetFX2compactからの置換も容易となっている。

図1 savic-net G5コンパクトモデル 壁掛けタイプ

表1 savic-net G5コンパクトモデルラインアップ

3.ユーザビリティ強化

3.1 マルチウィンドウ表示

複数の画面を整列表示できるようにした(図2)。

図2 マルチウィンドウ表示

例えば,警報発生した場合に,グラフィック画面を起点として,対象ポイントの発生日時を確認し,ポイントの値を時系列で表示。一時的な上昇か,累積的な上昇かを1画面で総合的に判断することができる。

3.2 多彩なチャート機能の提供

円グラフ,散布図,ヒストグラムといった多彩な表示形式に対応した(図3)。

例えば,熱負荷データと消費電力データの分布状況解析や,消費エネルギーの内訳を割合として確認することができる。

基本的なエネルギー管理業務を本製品で実施でき,省エネルギー対策が可能となる。

図3 チャート表示

3.3 タッチ操作性の向上

グラフィック画面の拡大・縮小を,タッチ操作のピンチイン・ピンチアウトでできるようにした。また,ログ画面は,スワイプでスクロールできるようにした(図4)。

一般的な操作方法を採用することで,ユーザーは直感的な操作で監視できるようになり,操作マニュアルを見なくても操作ができるようになる。

図4 ピンチアウト操作(左)と スワイプ操作(右)

4.おわりに

savic-net G5コンパクトモデルの開発により,2万m²以下の建物向けにも,上位機種であるsavic-net G5と同等の操作性を提供することができた。

今後も機能強化や改善により,お客様の監視業務効率向上に貢献できるような製品開発を行う所存である。

<商標>
savic-net,savic-net FX,FX2compactはアズビル株式会社の商標です。

田中 義人 アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー開発本部開発4部
坂本 俊隆 アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー開発本部開発1部

この記事は、技術報告書「azbil Technical Review」の2024年04月に掲載されたものです。