AIによる異常予兆検知
予兆検知・診断技術の開発
製造装置における製造ロス削減と省エネの取組み
製造装置を用いたプロセスでは,装置の異常に伴い製造ロスやエネルギーロスが発生する。製造装置の多くは自動化されており,同種の製造物に対する装置動作は繰り返し再現性があり,製造時の物理量を計測・比較することで装置動作の変化を可視化できる。これを利用して異常の発生や予兆を検知し,TBMからCBMへ移行することで,ロスを削減できる。今回開発した予兆検知・診断技術では,繰り返し再現性のある製造プロセスにおいて,基準データをもとに,異常やその予兆を検知する。そこで本稿では,この異常の予兆検知・診断技術の概要と,その有効性確認のために行った実証実験について述べる。
アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニー 戦略事業開発1部 丸野 智広
アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニー 戦略事業開発1部 西澤 慶祐
アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニー 戦略事業開発1部 保坂 儒人
オンライン異常予兆検知システムの大規模プラント向け拡張機能の開発
多くの製造業では,安全や安定操業のために異常検知システムの導入が進んでいる。最近では,異常予兆が検知できるかどうかという導入フェーズから,維持管理を効率的に行えるかという運用フェーズへと移行してきている。特に大規模なプラントを対象とした場合,多数の監視モデルを構築・配備する必要があるなどの課題が存在する。そこで,プラントを網羅的に監視し変調を検知するとともに,変調の原因となった変数を監視する新たなモデル構築を支援する技術を開発した。これにより,異常検知システムのモデル構築や運用を効率的に行えるようになる。
アズビル株式会社 AIソリューション推進部 青田 直之
アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニー エンジニアリング本部 ITサービス推進部 川瀨 健
アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニー エンジニアリング本部 ITサービス推進部 日暮 優
関西電力株式会社 火力事業本部 火力開発部門 小川 勇磨
関西電力株式会社 火力事業本部 火力開発部門 藤原 圭佑
オペレータの意思決定を支援するバッチプロセス向けオンライン異常予兆検知手法の開発
近年、プロセスデータを利用した自動監視ニーズが高まっている。本稿では、特に運転管理が煩雑なバッチプロセスを対象とし、従来のような対象プロセスの詳細な知見がなくてもプロセス全体をモデル化できる「MTSA(Multivariate Time series Shape Analysis)モデリング」を提案する。本手法はプロセスを自動監視し、捉えた異常を変数間の相関構造とともに直観的に理解しやすい形で提示できる。これにより、オペレータは自身の知見とあわせた異常の原因分析が実現でき、検知後の早期アクションに役立てることができる。
アズビル株式会社 ITソリューション本部 鈴木 毅洋
アズビル株式会社 ITソリューション本部 西口 純也
azbil Technical Review 2018年 特集:「人を中心とした」の発想に基づく機械・システムとの協調
IoT時代のスマート設備管理を目指す操業ビッグデータを活用したオンライン異常予兆検知システムの開発
近年、欧米を中心にInternet of Things (IoT)の戦略的利活用が急速に進んでおり、日本国内においても産官学挙げての取り組みが始まっている。ビッグデータ活用先の1つに製造業の設備管理分野がある。成熟した日本の製造業において、プラントオートメーション(PA)系プラントでは安全安定が、ファクトリーオートメーション(FA)系工場では止まらない工場がそれぞれの課題とされている。設備の健全性を担保するためには予防保全が大切であるが、時間基準保全(Time Based Maintenance: TBM)主流の現状では故障をゼロにすることは難しい。そこで, 製造現場の操業ビッグデータを活用し様々な設備の正常時の振る舞いをファジィニューラルネットワークに学習させることにより、いつもと違う動きをオンラインで捉え異常予兆の早期発見を可能とし製造現場におけるトラブルの未然防止を図るため、異常予兆検知システムBiG EYES™を開発した。
アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニー 木村 大作
アズビル株式会社 アドバンスオートメーションカンパニー 山縣 謙一