快適・省エネ最適化
人を中心とした空調制御の研究
実オフィスにおける温冷感申告型空調の導入効果検証
建物内に健康・快適で知的生産性に優れた空間を形成する上で、空調制御は大きな役割を担っている。このような空間形成の空調制御技術の1つとして、居住者が自身の温冷感(暑い/寒い)の情報を空調制御ループに直接フィードバックする温冷感申告型空調が提案されている。本研究では、温冷感申告型空調を導入した実オフィスにおいて、導入前後の室内環境・執務者の温冷感・満足度・知的生産性、空調の消費エネルギーについて調査した結果を報告する。
アズビル株式会社 技術開発本部 三浦 眞由美
アズビル株式会社 技術開発本部 上田 悠
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 太宰 龍太
慶應義塾大学 清水 悠香
慶應義塾大学 伊香賀 俊治
azbil Technical Review 2021年 特集:新しい働き方を支援する「人を中心としたオートメーション」
赤外線アレイセンサシステム
人を中心としたスマートビルディング実現の基盤技術
アズビル株式会社では、空調制御用に開発された赤外線アレイセンサと、その計測データを集約する装置で構成される赤外線アレイセンサシステムの販売を開始した。赤外線アレイセンサシステムは、これまでにない独創的な製品であり、壁や柱に設置された室温センサを用いず、赤外線アレイセンサで得られる広範囲の表面温度を用いてフィードフォワード空調制御を行うことで、快適と省エネルギーに貢献する。また、人検知を行い、その結果を外部出力することで、空調、照明の発停や換気制御等に応用できるスマートビルディング実現の基盤製品として位置づけられる。本稿では、これらの技術を中心に報告する。
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー開発本部開発2部 本田 光弘
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー開発本部開発2部 長嶋 聖
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー開発本部開発2部 青山 章一郎
azbil Technical Review 2020年 特集:社会課題の解決に貢献するazbilグループの多様性
高度なエネルギー管理と快適な空間を提供するsavic-net™ G5システムの統合コントローラ
地球温暖化防止やエネルギー安定供給の観点で、建物のエネルギー利用では持続的かつ高度なエネルギー管理が求められる。さらに業務用ビルでは、知的生産性に配慮した快適空間の提供が必要である。これらの要求は状況によっては相反することがあり、各種設備機器の個別制御だけでは両立させることができない。両立させるためには、ビル全体の状態を総合的に判断し、複数の機器を最適に制御する統合制御が必要である。その統合制御のアプリケーションを提供していくための様々な先進機能を基盤に備えたsavic-net™ G5の統合コントローラを開発した。
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 深浦 敦
azbil Technical Review 2019年 特集:「人を中心とした」の発想に基づく快適性の追求
居住者の温冷感情報を活用する新しい快適性評価技術の開発─個別単位の環境満足度を評価する
国際標準の快適性評価指標は大人数を前提とした平均的指標であり、個々人の温冷感の違いは反映されにくい。よって、空調環境におけるさらなる居住者満足度の向上を目指すには、居住者の実際の感じ方を反映した環境評価が必要となる。本技術は、空調システムに蓄積された居住者の温冷感申告データと室内環境データを活用し、それらの関係性を環境満足度モデルとして構築することにより、居住者の感じ方に基づく環境評価を実現する。実オフィスにおけるモデル生成試行を行った結果を報告するとともに、モデルの活用例について述べる。
アズビル株式会社 技術開発本部 三浦 眞由美
アズビル株式会社 技術開発本部 上田 悠
アズビル株式会社 AIソリューション推進部 宇野 侑希
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 太宰 龍太
azbil Technical Review 2019年 特集:「人を中心とした」の発想に基づく快適性の追求
快適空間制御を実現するための3次元温熱環境可視化システムの開発
従来は、壁や柱に設置されたセンサで室内を均一な温度分布にする空調制御が一般的であったが、近年、オフィスにおける人や発熱機器の偏在化に応じて、積極的に空間温度分布をつけ、快適性と省エネルギー性を両立する空調制御方式が注目されている。しかし、そのような空調制御実現のためには、壁や柱に設置された温度センサでは十分ではなく、室内の詳細な温熱環境を把握することが必要である。そのために室内の温熱環境を3次元的に可視化することにより室内温熱環境の偏在を詳細に把握するための技術とシステムを開発した。
アズビル株式会社 技術開発本部 斎数 由香子
アズビル株式会社 AIソリューション推進部 近田 智洋
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 原山 和也
azbil Technical Review 2019年 特集:「人を中心とした」の発想に基づく快適性の追求
快適・省エネヒューマンファクターの技術開発
居住者満足感に基づく室温変動制御
室温変動環境に着目し、温冷感/満足感/ストレス/疲労といった人的要素(ヒューマンファクター)と室内環境との関係について被験者実験を行なった。その結果、室温を26℃~28℃で周期的に変動させる室温変動環境が、室温26℃一定環境と同等以上の居住者満足度を実現できること、また、室温一定環境と比べて室温変動環境では被験者のストレス蓄積が抑制できることが分かった。室温変動を実オフィスで実現する際に室温設定値の追従性を向上させるために考案したAG(Actuator Gain)連動制御についても紹介する。
アズビル株式会社 技術開発本部 三浦 眞由美
アズビル株式会社 技術開発本部 上田 悠
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 水谷 佳奈
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 原山 和也
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 太宰 龍太
慶應義塾大学 伊香賀 俊治
azbil Technical Review 2017年 特集:新たな情報技術潮流における「人を中心としたオートメーション」
中小規模オフィスビルの空調ニーズに応えるセル型空調システムの開発
中小規模ビル向けに、従来の部屋やゾーニングより細かい空調エリア単位として「セル」という概念を導入した空調システムを開発した。本システムは、室内への風向を切り換える「体感気流切替機能付き吹出口」、セルごとの風量を変更する「セル風量分配ユニット」、設定器やコントローラなどから構成される。VAV空調やダクトビルマルチなど従来のダクト空調にない新たな機能として、より細かい単位での風量や風向の切替機能を備えている。本開発では、「人の温冷感」と「風量・風向制御」の関係を理論・実験・シミュレーションで分析し、そこで得られた知見をもとに、制御ロジックを考案した。そのロジックにより、人の温冷感申告に応じて、吹出口の風量や風向、室内温度といった個々の制御ループの設定を変えながら、「きめ細かな気流制御」や「気兼ねなく操作しやすい設定」など快適かつ利便な環境制御を提供する。
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 三枝 隆晴
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 羽場 照芳
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 伊藤 卓
アズビル株式会社 ビルシステムカンパニー 長尾 泰司