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トップレベルの技術者を認定する検定制度を開始、「学習する企業体」への変革を推進

azbilグループの人材育成機関「アズビル・アカデミー」は、様々な業務でトップレベルの技術・技能・知識を持つ社員を認定する「技術プロフェッショナル検定制度」をazbilグループ内で展開しています。技術者向けの最高位の社内検定として技術・技能・知識を公正に認定・称揚し、技術者としての自覚や研鑽意欲を促進することで企業体質の継続的な強化を図ります。

事業環境の変化に対応できる、「学習する企業体」を目指す

azbilグループは「人を中心としたオートメーション」の理念の下、技術・製品を基盤としたソリューションを展開しています。2016年度を最終年度とする中期経営計画では「顧客・社会の長期パートナー」「グローバル展開」「学習する企業体」というキーワードを盛り込んだ三つの基本方針を定め、目標達成に向けて事業変革・業務変革に取り組んでいます。

このうち「学習する企業体」とは、将来の事業環境や顧客ニーズの変化にしなやかに対応できるよう、自らの役割や業務を能動的に変えられる組織になることを意味します。お客さまに価値を提供できる人材育成と組織づくりを絶え間なく進めることで、変化に追随し、成長分野に迅速に展開可能な体制を整備します。

特に重視しているのが基礎的な技術力の強化です。昨今、国内の製造業や建設業では、生産設備の運用・保全、製品開発・生産、施工技術など多くの分野で技術者不足が指摘され、熟練技術者が持つ知識やノウハウを次世代に引き継ぐ必要性が高まっています。azbilグループでもこれらの課題を認識し、価値創造に欠かせない技術力という“足腰”を鍛えることで企業体質を強化します。

その具体策として2012年、アズビル株式会社はグループの人材育成機関「アズビル・アカデミー」を設立しました。人事部門が実施していた新入社員・中堅社員向けの階層別教育*1と、各カンパニーや事業部門が担当していた職能別教育*2を統合して研修教育体制を整備し、社員一人ひとりのキャリア形成を支援しつつ事業環境の変化に対応できる人材育成を図っています。

トップレベルの技術者をたたえ、技術者の能力と意識を高める

この取組みを加速するため、2014年8月に創設したのが「技術プロフェッショナル検定制度」です。これは職務に関係する公的資格や、各部門で独自に実施している業務習熟度レベル判定の上位に当たる社内検定制度です。トップレベルの職務知識や技術をグループ共通の基準で公正に検定し、合格者に「技術プロフェッショナル」の称号を付与します。

運営にはアズビル・アカデミーの講師のほか、第一線で活躍してきたベテラン技術者が参画。試験問題や実技試験の企画を通じて「トップレベルの技術者はどんな技能を身に付けるべきか」の議論を深め、後進に継承する知識やノウハウの標準化や見直しを進めています。既に導入済みの「安全マイスター制度」(製品開発やサービス技術、労働安全衛生管理などの知識やスキルを持つ人材を認定する制度)との両輪で、お客さまに提供するソリューションやサービスの品質を適切に高めていく考えです。

「技術プロフェッショナル」の認定者はその名誉をたたえ、仕事への誇りと意欲を高めてもらうと同時に、azbilグループを代表する技術者として、①後進の範となる行動、②さらなる技術力向上の探求、③人材育成(技術や知識、ノウハウの伝授)に対する積極的な取組みが期待されます。後進に技術者の理想像を示して向上心を育み、組織全体で一層の高みを目指す「学習する企業体」を体現します。

「技術プロフェッショナル」「安全マイスター」「公的資格」の位置付け

「技術プロフェッショナル」「安全マイスター」「公的資格」の位置付け

初回検定では4人の認定者が誕生、種目を拡大して制度浸透を図る

第1回検定は2014年8月、ビルディングオートメーションシステム(ネットワークBAシステム)のフィールド技術を対象に実施しました。システム導入後の調整業務やメンテナンスサービスに携わる社員のうち、最高レベルの業務習熟度を保有し、所属部門長から推薦を受けた22人が受験しました。

検定試験は筆記と実技の2段階。筆記試験ではネットワークBAシステムの知識だけでなく、空調や電気の設備・制御の基礎知識や理論についても問われ、ここで知識検定試験をクリアした6人が実技試験に進みました。実技試験ではシステムのセットアップを遂行するプロセスを通じて、現場作業で実際に行う配線用ケーブル作りや配線作業、システムの立ち上げ手順やその状況把握、接続されている機器の操作まで、現場で求められる技能や判断力を総合的に審査・採点しました。

その結果、最前線で活躍する中堅の30歳代の4人が合格、2015年4月15日に開催した社内表彰式で認定証が授与されました。認定者は全員プロフェッショナルと呼ぶのにふさわしい人物で、それぞれ技術者としての思いを新たにし、早速後進の育成にも携わっています。

2015年夏には熱源設備や空調・電気設備の計装を種目とする第2回検定を実施しました。今後もバルブ製品に関する選定・設計/製造/メンテナンスの技術や、旋盤・溶接といった生産技術など、主力業務を中心に検定種目を広げていく方針です。同じ種目の検定は最新の内容を反映できるよう5年周期で定期実施し、認定取得者にも再検定を課して技術力の維持・向上を図ります。

さらに「技術プロフェッショナル」の資格価値を高めるため、受験のインセンティブとなる報奨制度の充実や、厚生労働省による社内検定認定*3を取得することも目指します。こうした方策で本制度のazbilグループへの浸透を進めるとともに、対外的にも「学習する企業体」の実践をアピールしてまいります。

第1回の検定ではネットワークBAシステムのフィールド技術を対象種目として実施。スタートアップ調整、メンテナンスサービスの分野で最高レベルの業務習熟度を持つ22人の社員が受検した。

第1回の検定ではネットワークBAシステムのフィールド技術を対象種目として実施。スタートアップ調整、メンテナンスサービスの分野で最高レベルの業務習熟度を持つ22人の社員が受検した。

実技試験はアズビル・アカデミー研修センターにある実習設備で行われ、90分間で四つの業務をこなす問題を通して実践的な知識や技能、判断力がきめ細かく審査された。

実技試験はアズビル・アカデミー研修センターにある実習設備で行われ、90分間で四つの業務をこなす問題を通して実践的な知識や技能、判断力がきめ細かく審査された。

*1:階層別教育
組織階層(役職・職位)に応じて必要な知識、スキル習得、実践を目的として行う教育。

*2:職能別教育
事業領域・職種に応じての必要な知識、スキル習得、実践を目的として行う専門教育。

*3:社内検定認定
職業能力を測る会社独自の検定試験のうち、厚生労働大臣が技能振興上奨励すべきと認定したもの。技能評価に客観性を持たせられ、従業員の社会的評価、技術水準の向上などの効果が期待される。

この記事は2016年02月に掲載されたものです。