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国際水準の安全性や省エネルギーを実現する、研究施設向け風量制御システム

アズビルでは、研究施設や製造設備に風量制御システムを提供し、国際水準の安全性や生産性の高い作業環境の実現に貢献しています。研究者や作業者の安全確保はもちろんのこと、病院での院内感染の防止、さらにはアズビルの中央監視システムで運用・管理することで省エネルギーの推進にも貢献しています。

研究施設の作業環境向上を目指し、ユニークな風量・室圧制御用バルブの販売を開始

azbilグループは「人を中心としたオートメーション」の理念の下、ビルディングオートメーション事業、アドバンスオートメーション事業、ライフオートメーション事業という三つの領域でビジネスを展開しています。ビルディングオートメーション事業の領域では、居住者への快適な環境、そして建物の省エネルギーを実現する制御技術を提供しており、オフィスビルや商業施設、工場、学校などいろいろな用途の建物で製品・サービスが導入されています。温湿度・気流・室圧・空気清浄度など室内空気環境の厳密なコントロールが求められる病院や製薬工場、化学薬品などを扱う研究施設などにおいても例外ではなく、研究者が安全かつ高い生産性で働ける環境づくりをサポートしています。

化学・製薬市場における生産・品質管理や労働者の作業環境を守るためのCSR活動は、米国で先進的に実施されてきており、各国においてはその取組みに追随し対応を強化してきています。アズビル株式会社では、このような動向をいち早く捉え、まずは作業環境の安全確保の側面から研究施設などで活用されているヒュームフードに着目し、1998年から米国フェニックス・コントロールズ社が製造する風量・室圧制御用ベンチュリーバルブの国内独占販売を開始しました。ヒュームフードとは、化学実験などで有害な気体が発生するときや、揮発性の有害物質を取り扱うときなどに作業者の安全を確保するために用いられる箱型の局所排気装置です。フェニックス・コントロールズのベンチュリーバルブとアズビルが長年蓄積してきた空調制御技術のノウハウを組み合わせることで、厳密な風量・室圧のコントロールが可能になりました。ヒュームフードの前面に取り付けられたサッシの開閉に対応して排気風量をコントロールし、作業者が化学実験などで発生する有毒ガスに暴露することなく適切にヒュームフード内を排気します。このユニークなベンチュリーバルブはサッシの開閉とダクト内の圧力変化に対して1秒という高い応答性で、作業者の安全を守ります。

アズビルでは、高速・高性能の風量制御システムを日本国内の病院や製薬工場、研究施設に提案。その制御性の高さと安定性、空調技術を基にしたエンジニアリング力が認められ、多くの実績を積み重ねてきています。

風量・室圧制御用バルブを中央監視システムに接続することで、運用・管理の最適化や省エネルギーが大きく前進

アズビルでは、長年にわたり国内外のお客さまへ建物の空調制御技術を提供するとともに、ビルディングオートメーションシステム savic-net™FXを通じて、建物内の空調機・熱源機といった設備や、居室内の温湿度環境の適切な運用・管理を実現しています。また、空調に関する運転データを蓄積・解析し、建物全体としての最適運用や省エネルギー施策の提案も行ってきました。2009年、アズビルはフェニックス・コントロールズのベンチュリーバルブとsavic-net FXを接続し、運用情報を収集することができるコントローラを開発。ベンチュリーバルブと組み合わせた一体型の製品、風量制御コントローラ付きベンチュリーバルブ Infilex™VNとして販売を開始しました。これにより、アズビルの上位システムに接続し、ヒュームフードの運転・停止の監視やその運用を含めた建物全体のエネルギー使用状況、サッシ開度や排気風量、より細かい制御情報を見える化し、省エネルギーの推進を図ることができるようになりました。例えば、Infilex VNにより、ヒュームフード前面で作業をしていないときはサッシを閉めることで、封じ込め能力を確保したまま排気風量を低減できますが、ヒュームフードに取り付けられた人検知センサの情報と制御情報を組み合わせると、人がいないのにサッシが開いたままになっている状態を検知することができます。これによりバルブの排気動作にエネルギーの無駄が発生していることが分かるため、これらの情報を作業者へフィードバックすることで、省エネルギーに対する啓発に活用することも可能です。

savic-net FXとInfilex VNを接続することで、部屋全体の制御にも有効活用することができます。クリーンルームや実験動物飼育施設では、清浄度を維持するため部屋を陽圧にして外部からの汚染空気の流入を防ぎます*。また、化学薬品やバイオハザードなど有害物質の拡散防止には部屋を陰圧にして有害物質が外部に漏れないようにコントロールします。ドアの開け閉めなどで室圧のバランスが崩れた際にも高い応答性を持つベンチュリーバルブですぐに安定した環境に回復させることができます。

風量制御コントローラ付きベンチュリーバルブ Infilex VN

風量制御コントローラ付きベンチュリーバルブ Infilex VN

労働衛生管理の重要性が増し、アジア諸国へも普及

これらの化学実験施設向けアプリケーションに加え、日本国内の病院や研究所ではInfilex VNとアズビルのノウハウで培った独自の室圧制御を併せたシステムの運用が始まっています。例えば本システムを導入し、通常は一般病棟として利用しているところをパンデミック対応の隔離病棟に即時に変更するという運用で有事に備えている病院の事例もあります。

米国・日本に追随するかたちで、アジア諸国でも労働衛生管理が重要視されてきており、台湾・韓国・インドネシアなどの研究所や病院においてもInfilex VNを用いた風量・室圧制御システムが採用されています。アズビルでは、今後もより安全な作業環境を実現できるより良い製品・サービスを開発し、国内外のお客さまに提供していきます。

*用途により陰圧管理をします。

※savic-net 、savic-net FX、Infilexは、アズビル株式会社の商標です。

この記事は2017年04月に掲載されたものです。