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多様な社員の個性を活かすダイバーシティ推進

― 社員一人ひとりの特徴を大切にして、いきいきと活躍できる環境をつくる ―

少子高齢化など社会の急速な変化に適応するため、アズビルはダイバーシティの推進を重視し、その実現に向けた環境づくりに取り組んでいます。2016年にはダイバーシティ推進タスクが発足し、風土改革や人材育成の施策を実施しています。様々な個性・背景を持つ社員一人ひとりが、個性を活かしながら安心して活躍できる組織づくりを目指していきます。

三つの視点とタスクで多様な社員の活躍を後押し

急速なグローバル化や技術革新、少子高齢化など、企業を取り巻く環境が大きく変化している中、政府は「一億総活躍社会」の実現を掲げています。これらに適応し、国および企業が継続して発展し続けるためには、ダイバーシティの推進が欠かせません。多様な人材の活用や働き方改革の重要性が高まっているのです。

アズビル株式会社が考えるダイバーシティとは、「一人ひとりの個性を尊重し、その特徴を活かし、いきいきと働くことで成果を高めていくこと」です。これはazbilグループの理念である「人を中心とした」の発想にも通じています。

ダイバーシティを実現するためには、性別や国籍、年齢、あるいは育児や介護といった個々人の事情の違いなどにかかわらず、すべての社員が安心して、やりがいを持って活躍できる環境をつくることが重要です。アズビルはダイバーシティの推進を経営計画に定めた重要施策の一つに位置付け、様々な施策に取り組んでいます。一人ひとりの社員が特徴を活かし、仕事への多様なアプローチによって成果を高めていくことで、お客さまにさらなる価値を提供できると考えているからです。そこで、2016年にこの取組みを具現化していく新たなプロジェクトとしてダイバーシティ推進タスクを立ち上げました。このタスクチームは、人事担当役員をリーダーに、人材育成の担当部署であるアズビル・アカデミー、人事部および事業部門からメンバーを集めた10人規模で構成されています。

ダイバーシティ推進には、社員がダイバーシティの重要性を理解すること、一人ひとりが成果を高められるように学習すること、社員の活躍を後押しするためにより働きやすい環境をつくることが欠かせません。推進タスクでは、社内のダイバーシティ推進における課題を洗い出しながら、そうした三つの視点から、社員の活躍を支援する具体的な行動計画をまとめました。そしてその施策の総称を「アズビル・ダイバーシティ・ネットワーク(ADN)」と命名し、取組みを進めています。

一つ目の視点は、「風土や意識の変革」です。ダイバーシティを推進するためには、全社員がその意味や重要性を理解し、意識を変えていくことが必要です。

まずは、組織長向けの「ADNフォーラム」を2017年から開催し、講義形式で関連知識を深める機会を提供しています。組織長自身が統括する部署に対してダイバーシティ推進策を立案、実施するプログラムも組み込み、組織の風土改革・意識醸成を促しています。

「アズビル・ダイバーシティ・ネットワーク(ADN)」

「アズビル・ダイバーシティ・ネットワーク(ADN)」

ADNビジネスカレッジでの経験がキャリアアップへの意欲に

二つ目の視点は、「多様な人材の活躍」です。多様な個性・背景を持つ社員一人ひとりが自身の仕事の中で成果を高めるための施策を進めます。

その施策の一つとして、まずは女性に注目し、2017年から女性社員の活躍を促す研修「ADNビジネスカレッジ」を展開しています。

将来的に管理職を担うことが期待される女性社員24人が組織長などの推薦により参加。9カ月間にわたり、リーダーシップに必要なマインドの醸成やチームビルディング、コミュニケーション力などのビジネススキルを磨くものです。

「ADNビジネスカレッジ」では、所属や専門性の異なる6人でグループをつくり、自らが選んだテーマとターゲットに対し、社内の課題を抽出し、議論を重ねて自分たちの想いや課題の解決策をまとめ、経営層に提言するグループワークを取り入れています。

2017年度の1期生が取り組んだ課題は「アズビルのダイバーシティ推進について」です。グループごとに具体的なテーマを選定。今後増えることが予想される介護離職を防ぐ施策、40代女性社員の活躍推進施策など、女性だからこその視点を活かした課題の抽出と対策を提言しました。受講者はチームをまとめる、多様な人材の能力を活かす、自ら主体的にメッセージを発信するといった経験を重ねます。普段の職場とは異なる役割に挑戦することで、「自身の新たな能力に気づいた」「ネットワークが広がった」「キャリアアップへの意欲が高まった」という声が多く聞かれました。

卒業後、職場でグループマネジャーに昇格したり、プロジェクトを任されたり、新しい業務でのチャレンジを始めた社員もいるなど、成果が着実に表れています。

また、人事制度の面では、性別や年代などを問わず全社員を対象に、多様な“人財”を活かすためのアプローチとして、2018年度からキャリア面談を導入しました。定期的に面談を行い、短期・長期両方の視点で個人のキャリアを計画的に構築し、上司は自部署の社員の個性を活かしながら活躍の幅を広げるとともに、職場を活性化させていくことを目的としています。

三つ目の視点が、「多様な働き方の推進」です。様々な事情や背景を持つ社員が最大限の能力を発揮できるよう、人事制度との連携によって、さらに働きやすい環境づくりに着手しています。

その一つの例として、2018年度から時間単位有給休暇の日数を従来の3日から5日に増やしました。これは育児をしている社員を集めた座談会の中で、取得時間を調整しやすい時間単位有給休暇の対象時間を増やしてほしいという希望が多数寄せられたためです。

また、介護と仕事の両立に不安を感じている社員に対して、介護離職を防ぎ、孤立をさせないことを目的とした取組みを順次導入していくために、準備を行っています。

地道に続けてきたこれらの施策や活動により、着実にダイバーシティ推進の成果が表れ始めています。2014年に35人だった女性管理職数は増加してきており、2021年4月までには70人に増やすことを目標としています。

現在はダイバーシティの重要性が社員に浸透し、その推進の基盤構築が進んでいる段階です。今後はより幅広い領域でダイバーシティを展開、推進し、社員一人ひとりが個性を活かしながら、安心していきいきと能力を発揮し、その成果として、お客さまと社会にさらなる価値を提供できる組織づくりを目指してまいります。

2017年度「ADNビジネスカレッジ」の最終発表。活動の集大成として、1期生が経営層や上司を前にプレゼンテーションを行った。

2017年度「ADNビジネスカレッジ」の最終発表。活動の集大成として、1期生が経営層や上司を前にプレゼンテーションを行った。

2期目となる2018年度の「ADNビジネスカレッジ」も約7カ月間が経過し、女性社員24人がリーダーシップに磨きをかけている。研修では1期生が2期生に自身の経験を伝える時間や、曽禰寛純社長がエールを送る場面もあった。

2期目となる2018年度の「ADNビジネスカレッジ」も約7カ月間が経過し、女性社員24人がリーダーシップに磨きをかけている。研修では1期生が2期生に自身の経験を伝える時間や、曽禰寛純社長がエールを送る場面もあった。

この記事は2019年02月に掲載されたものです。