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グローバルでビル空調に高付加価値を

― 独自の技術やノウハウと、IoTなどの最新技術の活用により快適性や省エネルギー、環境への配慮など付加価値の高いソリューションを提供 ―

オフィスビルなどの大規模建物向けに、アズビル独自の空調制御技術で快適な空間を提供するビルディングオートメーション事業。国内外ともに堅調な事業環境を追い風にして、長年にわたり培ってきた技術・ノウハウを基に、グローバルな環境性能基準への対応や、IoT、AIといった最新技術との融合など、未来を見据えた新たな取組みを強化しています。

アズビル株式会社
取締役兼執行役員常務
ビルシステムカンパニー社長
濱田 和康

海外市場での展開を拡大し、BA事業のさらなる成長を目指す

アズビル株式会社の中核事業の一つであるビルディングオートメーション(BA)事業では、オフィスビルをはじめとした様々な大規模建物向けに、BAシステムを構成する製品やソフトウェアの開発、製造、販売から、計装設計、エンジニアリング、施工、メンテナンスに至るまでを一貫した体制で提供しています。

長年の現場経験によるノウハウを空調制御に活かすとともに、最新の通信仕様やITを取り入れたシステムを構築することで、建物の温湿度を管理して快適な空間を創造するだけでなく、省エネルギーやCO2排出量削減を追求し、環境負荷の低減に取り組んできました。長期にわたる建物のライフサイクルに即した製品・ソリューションの提供を強みとし、保守サービスや既設建物のリニューアル、省エネソリューションなど、長期間にわたってお客さまの建物の安定運用と資産価値の維持・向上を支援しています。

近年は、特に海外事業の推進にも力を入れています。アジア地域ではオフィスビルや工場、ショッピングセンター、空港など大規模施設の建設が増えており、BAシステムや省エネソリューションなどに対する需要が各国で高まっています。

このようなアジア地域の事業に対応するため、2018年4月、シンガポールに「東南アジア戦略企画推進室」を開設しました。これまで各現地法人が個別に事業を展開していた東南アジア地域において、地域横断的な事業推進や戦略企画などを担い、現地法人同士の連携を強化。東南アジアの建物市場における新築・リニューアル・省エネルギーなどのニーズに対して、お客さまに幅広くアズビルの技術・サービスを提供していきます。

建物のライフサイクルとBA事業の提供価値

建物のライフサイクルとBA事業の提供価値

環境性能基準やIoTなどの技術革新に対応

国内においても、活況な都市再開発投資や2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に関連する建設需要の拡大を背景に、新築の大規模建物向けシステムや機器の受注が着実に伸びています。東京オリンピック・パラリンピック以降も再開発計画が予定されており、新設需要が継続する見込みです。

こうした堅調な事業環境を追い風に、今後は特に、グローバルな環境性能基準への対応、高付加価値のソリューションの提案など四つのテーマに力を入れ、BA事業の新しい価値を創造、提供したいと考えています。

一つ目は、グローバルな環境性能基準への対応です。現在、欧米を中心とした建物市場では、環境に配慮した「グリーンビルディング」であることが資産価値として重視されてきており、その評価システムであるLEED*1などの認証基準を満たすことが求められています。日本国内のオフィスビルにおいても、特に外資系企業を中心に、入居先を探す際にLEEDなどの認証を取得していることが条件付けられるケースが出始めており、今後さらに高い環境性能を備えたビルの需要が増えることが見込まれています。アズビルは長年にわたって省エネルギーやCO2排出量削減の対応で実績を上げていますが、さらにグローバルな環境性能基準にも対応するソリューション提供活動の展開を加速したいと考えています。

それは同時に、2015年に国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)の実践にもつながります。健康や環境保護などにも関連する国際目標であるSDGsに取り組む国や企業が増えていることは、快適で健康的な空間づくりや省エネルギーを追求してきたアズビルにとって、好ましい環境変化と考えています。働く人が長い時間を過ごすオフィスで、健康や快適性に配慮した空調やオフィス空間を実現していきます。

二つ目は、IoT(Internet of Things)、AI(人工知能)、ビッグデータ、クラウドサービスなどの技術革新を取り込んだ新製品・サービスの導入です。アズビルはこれまで時代のニーズや、先進技術に対応した製品づくりを行ってきました。特に建物管理システム savic-net™シリーズはアズビルの主力商品であり、2018年に最新ラインアップsavic-net G5を販売開始しました。savic-net G5はIoT時代を先取りして開発したシステムであり、拡張性に特長があります。従来、BAシステムの通信規格はメーカーごとに異なる専用規格を採用していましたが、savic-net G5はグローバルな通信規格であるBACnet*2に対応しています。異なるメーカーの機器との接続・通信も容易なため、各メーカーの垣根を越えて幅広い選択肢の中からお客さまが機器を選択し、望まれる制御に近づけることができます。既にアジアのランドマークとされる建物や、国内の大型再開発ビルなどにも採用されています。

また、アズビルのBAシステム・機器は、画面の見やすさやシステム運用の柔軟性など、ユーザビリティにも注力して開発しています。今後、新製品の開発にあたっては、表示画面やタッチパネルなど基幹部分以外の細部にも最新の性能やデザインを取り入れ、ユーザーの利便性を重視して取り組んでいきます。

付加価値の高い提案や高度な技術力が強み

三つ目は、国内の既設ビルにおけるメンテナンスやリニューアルなど、付加価値の高いソリューション提供力の強化です。

現在、バブル時代(1990年前後)と2000年初頭に建設された建物が、リニューアルの時期を迎えています。これを好機として、単なる機器のメンテナンスを続けるだけではなく、省エネルギーやエネルギーマネジメント、性能向上、運用コストの低減など、付加価値の高いリニューアルの提案にも注力していきます。

四つ目は、病院や研究所、データセンターなど、特殊な空調機能が求められる建物への対応強化です。これらは高度な空調技術が求められるもので、アズビルがこれまでの経験を基に独自の技術やノウハウを活かし、強みを発揮してきた分野です。2018年には特殊な空調技術に対応する専任部署を設けるなど取組みを強化しており、さらにアズビルの技術力を活かした提案を行いたいと考えています。

アズビルの強みは、製品・システムだけではありません。エンジニアリングや施工、メンテナンスにおける高い品質と完遂能力、それらに基づく安心感・信頼感が、お客さまに選んでいただける強みです。それを支えているのは社員であり、これからも社員一人ひとりの能力や経験値を高める人材育成に取り組んでいきます。

BA事業を担うビルシステムカンパニーでは働き方改革を推進しており、拡大する需要に対し、適正な労働時間で着実に業務を遂行できる体制づくりに努めています。仕事の生産性を高めることで、お客さまに提供する価値の増大にもつなげたいと考え、取り組んでいます。

今後も「人を中心としたオートメーション」の理念に基づき、製品や技術を日々進化させながら、快適で効率の良い執務・生産空間の創造と環境負荷低減に貢献してまいります。

*1:LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)
米国グリーンビルディング協会(USGBC:U.S. Green Building Council)が開発し、グリーンビルディング認証協会(GBCI:Green Business Certification Inc.)が運用する、建物と敷地利用についての環境性能評価システム。省エネルギーと環境に配慮した建物・敷地利用にかかわる認証を、Certified(標準認証)、Silve(r シルバー)、Gold(ゴールド)、Platinum(プラチナ)の四つの評価レベルで行っている。

*2:BACnet(Building Automation and Controlnetworking protocol)
空調、熱源、照明、入退室、防災などの各種建物設備を統合的に監視・制御するためのオープン通信プロトコル。1995年にASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)が公開し、2003年に国際標準化機構からISO16484-5として発行された。

*3:ESCO(Energy Service COmpany)事業
工場やビルの省エネルギーに関する包括的なサービスの提供を通じて、そこで得られる効果をサービス提供者が保証する事業。

※savic-netは、アズビルの商標です。
※BACnetは、ASHRAEの商標です。

この記事は2019年06月に掲載されたものです。