健幸経営を推進し「くるみん」「えるぼし」を取得
― 働き方改革とダイバーシティを両輪に社員一人ひとりの「健幸」を目指す ―
azbilグループは、「働き方改革」と「ダイバーシティ」を両輪として、人を中心とした経営を推進するための「azbilグループ健幸宣言」を制定しました。社員一人ひとりの健康が企業活動の重要な基盤であるという「人を重視した」経営方針により、azbilグループ全体で取り組んできた結果、2018年に女性活躍推進優良企業として「えるぼし認定」、2020年には子育てサポート企業に対する「くるみん認定」を取得しました。女性活躍や子育て支援などを含め、すべての社員が健康でいきいきと働くことができるよう「健幸経営」に取り組んでいます。
- 「azbilグループ健幸宣言」は、働き方改革とダイバーシティ推進の両輪
- 3%台だった男性育児休業取得率が、翌年には21%台まで急増
- 社員満足度65%以上という目標に向けて、すべての社員を「健幸」にする
「azbilグループ健幸宣言」は、働き方改革とダイバーシティ推進の両輪
azbilグループは、「人を中心としたオートメーション」で人々の「安心、快適、達成感」を実現するとともに、持続可能な社会へ「直列」につながる事業活動を通して課題解決に貢献することと、持続的成長を目指し、具体的な取組みを進めています。
2019年には「azbilグループ健幸宣言」として、健康で幸せ、いきいきとした「働きの場と人」を創ることを目的に『社員一人ひとりの健康が企業活動の重要な基盤であると捉え、会社で働くすべての人々が安心・安全で、快適に、活き活きと、自分らしく健やかに働き、それぞれが持つ多様な能力を発揮し、公私ともに充実した人生を送ることが生産性や業績の向上、イノベーション、社会への貢献につながると考えています。健幸な「働きの場と人」を創るために、会社とそこで働く社員が協働し、快適で働きやすい職場環境づくり、心身の健康づくりに積極的に取り組むこと』を宣言しました。総労働時間の削減やハラスメント防止による職場改善活動の「働き方改革」と、多様な社員が持ち味を発揮できるような風土を醸成する「ダイバーシティ推進」を両輪とし、働きやすい職場と社員の幸せの実現に向けて積極的に仕組みを整えています。
働き方改革とダイバーシティ推進を両輪としたazbilグループ健幸宣言全体像。
3%台だった男性育児休業取得率が、翌年には21%台まで急増
azbilグループでは、以前から取組みを進めてきた働き方改革に加え、2017年からはダイバーシティ推進も加速し、労働時間の削減や育児と仕事の両立を支援するなど雇用環境を整備し、優秀な人材の確保につなげてきました。その結果、アズビルの企業姿勢や具体的な取組みは公的認定という形でも評価され、2018年に厚生労働大臣から女性の活躍推進に関する優良な企業として、「えるぼし認定*1」を取得しました。えるぼしは、認定基準としてある5項目のうち、満たしている項目数に応じて3段階に評価されます。アズビルでは、そのすべての項目を満たす企業として、最高位である「3つ星」を取得することができました。
さらに2018年から2020年の2年間の施策として、「すべての社員が育児短時間勤務や子の看護休暇を中学校就学前まで利用できるようにする」「男性社員の育児休業取得人数を6人以上とする」「多様な勤務時間を選択できる制度を導入する」という三つの目標を掲げて取り組みました。アズビルの育児休業制度については、男性社員の取得率が低く、2017年度は2.9%、2018年度には3.6%でした。そこで育児休業を取得した社員にはお祝いを贈るなど、福利厚生制度の見直しを実施した結果、2019年度には21.7%の男性社員が育児休業を取得しました。これは目標を大きくクリアするだけでなく、厚生労働省が発表している民間企業における男性育休取得率(7.48%)と比べてもかなり高い数値といえます。
これらの取組みと実績が評価され、2020年には、「次世代育成支援対策推進法」に基づき、“子育てサポート企業”として厚生労働省の「くるみん認定」を取得することができました。
アズビルでは、会社の制度・風土として性別を問わず誰でも育児休業を取得できる環境が浸透するよう、社内のホームページなどの情報発信ツールを利用して育児休業取得促進のための啓発を行っています。最近では、就職活動の際に「くるみん認定」の有無に着目して就職先を選ぶ学生が増えており、優秀な人材を採用する上でも重要な認定となっています。育児休業を取得した社員が増えることで、さらに多くの社員が積極的に子育てに参加しやすい職場環境を実現するという変化が表れています。
2020年から2022年の行動計画では、「全社員の1年間の年次有給休暇取得日数を平均15日以上とする」「育児をはじめ特殊な事情により、所定労働時間の出社が難しい社員に対して、柔軟にワークスタイルを選択できる制度を整備し、働き続けることができるよう支援する」「EAP*2相談窓口を積極的に活用する」という三つの目標を掲げ、より高い水準の取組みを行っている企業に与えられる「プラチナくるみん認定」の取得を目指しています。
全国平均とアズビルの男性育児休業取得率の比較推移。
(左)2018年に「えるぼし認定」取得。
(右)2020年に「くるみん認定」取得。
社員満足度65%以上という目標に向けて、すべての社員を「健幸」にする
azbilグループでは、「一人ひとりの個性を尊重し、その特徴を活かし、いきいきと働くことで成果を高めていく」ことが企業成長の原動力であると考え、ダイバーシティ推進タスク(アズビル・ダイバーシティ・ネットワーク)を発足し、「風土改革や意識の改革」「多様な人材の活躍」「多様な働き方の推進」の三つの活動を進めています。
同時に女性や子育て世代に限らず、全社員の「働き方改革」へとつなげていきます。誰もが直面する可能性のある介護のほか、結婚や出産といったライフイベントの際も、仕事との両立ができるよう支援制度を拡充し、性別や年齢を問わず、すべての社員が継続して働きやすい職場となる取組みを進め、人材の活躍推進とワークライフバランスの向上を目指していきます。
現在、SDGs*3の活動が各企業で活発に行われていますが、アズビルではSDGs目標の一つに「健幸経営と永続的な学習による社会課題解決の基盤強化」を掲げ、健幸でいきいきとした「働きの場と人」を創る様々な取組みの結果を評価する指標として、「azbilグループで働くことに満足している社員の比率」を2030年度までに65%以上にするという数値目標を立てています。2019年度のazbilグループ全体での社員満足度は57%であり、比較的高い状況にありますが、社員の「健幸」を追求することで、さらによい製品やサービスを提供し、お客さまや社会の課題解決に貢献できる企業を目指します。
*1:えるぼし認定
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づく認定制度で、「採用」「継続就業」「労働時間等の働き方」「管理職比率」「多様なキャリアコース」という5項目について、毎年実績を公表する必要がある。
*2:EAP(Employee Assistance Program)
社員支援プログラムの略。社内では相談しにくいメンタルヘルス相談のほか、様々な悩み事にも対応できるよう、社員の相談を受け付ける社外相談窓口。メンタル疾患等による休業中のきめ細かな対応なども行う。
*3:SDGs(Sustainable Development Goals)
2015年の国連サミットで採択され、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のこと。「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂(ほうせつ)性のある社会を実現するための17のゴールと169のターゲットが示されている。
※参考文献:厚生労働省「令和元年度雇用均等基本調査」
この記事は2021年04月に掲載されたものです。