HOME > アズビルについて > 会社PR > azbil MIND > 総合技術商社としてお客さまの課題解決に挑む

総合技術商社としてお客さまの課題解決に挑む

― 流通型からソリューション型へ変容し顧客に必要とされる企業へ ―

アズビルトレーディングは、azbilグループのフロントエンド技術商社として活動してきました。本格的なIoT時代の到来とともにAI(人工知能)やビッグデータなどの技術革新が進み、商社に期待される役割が大きく変化している中、技術商社として培ってきた知見を活用し、顧客にソリューション型の付加価値を提供していきます。SDGsを新たな道標(みちしるべ)とし、CSR経営を基盤に、社会から信頼され、持続可能な社会の発展に貢献できる企業を目指します。

アズビルトレーディング株式会社
代表取締役社長
奥村 賢二

商社を取り巻く環境の変化に合わせ、ソリューション型事業で価値を提供

azbilグループは「人を中心としたオートメーション」の理念の下、新たな社会課題の解決と持続可能な社会への貢献を企業価値とし、経営の根幹に据えた活動を進めています。その原点は、創業者の山口武彦が1906年に欧米の先進的な工作機械類を輸入・販売することを目的に創立した山武商会にさかのぼります。山武商会は事業の発展に伴い、メーカー機能を現在のアズビル株式会社に委ね、技術商社として株式会社 山武商会を新たに設立しました。その後、2012年にアズビル商事株式会社に社名を変更。翌2013年4月、アズビル商事とアズビルロイヤルコントロールズ株式会社の合併によって誕生したのがアズビルトレーディング株式会社です。

アズビルトレーディングは、海外市場から先進的な制御機器や装置を見つけ出し、流通型の商社としてお客さまのニーズに合った製品・商品を輸入し提供してきました。計測と制御の技術を基にした技術商社ならではの市場動向の把握、そして商社というフットワークの軽さでazbilグループのフロントエンド技術商社として活動してきました。しかし近年、インターネットの普及と流通の変化により海外製品の輸入や製品情報の収集が容易に可能となり、商社に期待される役割が大きく変化しています。

本格的なIoT時代が到来しつつある中で、アズビルトレーディングはこのような時代の潮流を転換の好機と捉え、それまでの流通型からソリューション型の事業へ進化することによる成長を目指して、2018年からの2カ年を「事業基盤強化期」、2020年からの2カ年を「発展期」、2022年以降を「飛躍期」とした長期経営計画を策定しました。これは、商品を見つけ出してお客さまにお届けするという今までの流通型を基盤としながら、幅広い品ぞろえと専門的な知識を基に、顧客の課題を解決するために、多様な商品の中から適切な機器の選定とエンジニアリングを行い、顧客のパートナーとしてソリューションを提供する事業スタイルに変化することで成長を目指すというものです。アズビルのアドバンスオートメーション事業が担う産業分野の中でも、ファクトリーオートメーション・装置市場をメインターゲットとし、特に中小規模の企業に対して、お客さまの現場で価値を創造するパートナーを目指す活動が進められています。

事業基盤を強化し構造改革を推進、顧客に選ばれる企業を目指す

2018年からの「事業基盤強化期」を皮切りとした長期経営計画では、まず事業を推進していくための基盤となる、法令遵守やガバナンスなどのCSRについて、社内へ再徹底を図りました。それと並行して、IoTの普及に伴うAIやビッグデータなどの技術革新により変化した産業構造に対応するため、ビジネスユニットを再構築。社内に15以上あったサブビジネスユニットについて、内容や将来性などを検討して適正化を図り、「コンポーネント・プロダクト事業」「ソリューション・サービス事業」「マシンソリューション事業」の3部門に集約しました。事業の整理・集約・最適化を進めることで一時的に売上が減少したものの、その代わりに価値のある事業に注力することができた結果、利益を大幅に拡大することができました。

また、お客さまに価値あるソリューションを提供できる営業技術力の強化や仕組みの改革も併せて推進しています。未来につながる活動として顧客カバレッジの拡大を狙いKPI*1管理を徹底することに加え、「マイスター制度」を設けて定年再雇用の社員の優れた営業スキルや顧客管理のノウハウ、新規顧客の掘り起こしのスキルを若手社員に継承しています。マイスターとなったシニア層の社員は、長年の豊富な営業経験から、既存顧客や新規顧客の分析を的確に行い、攻略シナリオのベースをまとめます。その手法や攻略シナリオを若手の営業社員が受け取り、スペックイン活動を実践していきます。このような活動を通して、シニアから若手社員へ価値のある営業力・技術力というバトンが受け継がれるようになりました。

長期経営計画

長期経営計画

SDGsを新たな道標とし、注力する四つの領域を設定

アズビルトレーディングはazbilグループの一員として、グループ全体で取り組んでいるSDGs*2活動においても、事業の新たな道標として取組みを強化しています。azbilグループの四つのSDGs基本目標「協創による地球環境とエネルギー課題の解決への貢献」「新たなオートメーションによる安心・快適な社会の実現」「サプライチェーンにおける社会的責任の遂行と地域社会への貢献」「健幸経営と永続的な学習による社会課題解決の強化」に沿った形で、アズビルトレーディングとしての重要領域「工場向けソリューションの実現」「5ZERO マニュファクチャリングの実現」「ESG調達の実現」「健幸経営・学習する企業体」を設定しました。

「5ZERO マニュファクチャリング」は一般社団法人 日本電気制御機器工業会(NECA)の提唱する概念で、制御機器を活用した2030年のものづくりの将来像として、IoTやAI、ビッグデータなどの先進技術を駆使し、品質(欠陥ゼロ)・生産性(生産ロスゼロ)・納期(納期遅延ゼロ)・安全(事故ゼロ)・設備保全(生産ライン停止ゼロ)を目指すというものです。この「5ZERO マニュファクチャリング」を実現することは、事業の長期的な成長のために環境・社会・ガバナンス(ESG)の視点を取り入れたサステイナビリティに直結すると考えています。そしてこれはアズビルトレーディングが事業として目指すべき方向でもあると認識しています。

また、「健幸経営・学習する企業体」では働き方改革とダイバーシティに関する中期目標を設定し、ワークライフバランスや有休取得の義務化の浸透を図っています。また、女性活躍推進は特に取組みを強化しており、アズビルが運営するダイバーシティ推進タスクに女性社員を派遣し、アズビルトレーディングの社内だけではない、azbilグループ全体の社員と触れ合い、学ぶことで視野を広げ、その知見を自社に持ち帰り、社内にその基礎知識を発信したり、多様な働き方のロールモデルを紹介したり、ダイバーシティについての職場対話の機会を創出するなど、ダイバーシティの推進に大きく貢献しています。さらに階層別教育の点でもアズビル・アカデミーの仕組みを活用し、社員全体が多面的に大きく成長していくことができる仕組みを採用しています。

アズビルトレーディングは、SDGsを新たな道標とし、azbilグループ唯一の計測と制御の総合技術商社として、持続的な社会の発展に貢献できる企業を目指し、確実なCSRの取組みの下で成長し続けることを目指しています。そして、これまでの総合技術商社としての複合的な製品の知識にソリューション提供を加え、お客さまの作業環境における課題を改善する取組みを積極的に推進していきます。

*1:KPI(Key Performance Indicator)
重要業績評価指標。業績管理評価のための重要な指標で、組織の目標達成に向けた進捗(しんちょく)具合を把握することができる。

*2:SDGs(Sustainable Development Goals)
2015年の国連サミットで採択され、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のこと。「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂(ほうせつ)性のある社会を実現するための17のゴールと169のターゲットが示されている。

この記事は2021年06月に掲載されたものです。