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お取引先さまとともに社会的責任を果たす

― SDGsを共通目的にサプライチェーン全体で社会的責任を果たすべく、お取引先さまへの働きかけと協働を基に継続的改善の枠組みを策定 ―

azbilグループでは、四つの基本目標からなる「azbilグループSDGs目標」を策定し、その中の一つとして「サプライチェーン、社会的責任」を掲げています。そこでは、azbilグループが、製品の原材料や部品、および施工、エンジニアリング、サービスの調達を含めたサプライチェーン全体での社会的責任の遂行を果たすべく、お取引先さまへの働きかけと協働を基に、達成度評価の枠組みを設けて取組みを推進しています。

サプライチェーンにおけるCSRの取組みを2000年代初頭から展開

「人を中心としたオートメーションで、人々の安心、快適、達成感を実現するとともに、地球環境に貢献する」を理念に掲げるazbilグループでは、地球規模で増大する社会的課題を解消し、持続可能な世界の実現を目指すSDGs*1を経営の重要な道標と位置付けています。2019年には「環境・エネルギー」「新オートメーション」「サプライチェーン、社会的責任」「健幸経営、学習する企業体」の4項目からなる「azbilグループSDGs目標」を策定し、持続可能な社会へ「直列」に繋がる貢献を目指して各種施策を強化しています。

azbilグループでは既に2000年代初頭から、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として、現在のSDGs目標である「サプライチェーン、社会的責任」につながる取組みを環境・社会の視点で実践してきました。環境の視点では、製品の部材に対し、欧州連合(EU)のRoHS指令*2やREACH規則*3などで規制されている化学物質の含有量を監視する製品含有化学物質管理を実施。規制値を超えている場合は、部材提供元のお取引先さまに対し改善を要請し、是正確認を行っています。また、環境負荷低減に配慮した商品を優先的に選定し調達する「グリーン調達」を実践し、お取引先さまに調達対象となる製品・サービスにかかわる環境配慮を依頼しています。併せて、省エネ施策の共有などを行うことにより一定の環境水準をクリアしていることを確認しています。一方、社会の視点では、お取引先さまにおける適正な労働条件確保のために、36協定*4の締結や就業規則の整備などを要請し、長時間労働や過重労働につながるリスクを回避するための対応を促してきました。

こうしたサプライチェーンの取組みを進める中で、2014年には「企業の公共性、社会的責任の遂行」「公正な商取引の遵守」「人間尊重の社会行動」「環境保護の推進」という四つの視点で購買のあり方を明文化し、「azbilグループ購買基本方針」を策定しました。azbilグループ内での周知徹底を図 るとともに、お取引先さまにも理解いただき、サプライチェーン全体でCSRに配慮した購買活動を実践してきました。

CSR遂行に向けた具体的施策をガイドラインにまとめて提示

その後、azbilグループでは、2019年のSDGs目標の策定に伴いサプライチェーンの取組みを一層強化し、より積極的な社会的責任を果たすべく、お取引先さまへの働きかけと協働を基にした新たな枠組みを構築しました。具体的には、外部機関のESG*5評価手法を参考に、環境・社会の両カテゴリについて10の対象領域に関する評価指標を設定しています。「方針・戦略」「体制・仕組み」「取組み施策」「有効性評価」という4段階の達成度評価に、お取引先さまへの自己評価アンケートによる取組みの「検証」を加え、一連のCSR活動を総合評価するというものです。このPDCAサイクルをazbilグループ各社が回して、お取引先さまとの継続的な協働と改善活動を推進するとともに、評価の結果を社外にも開示することで、ステークホルダーからの意見も改善活動へフィードバックさせていきます。

加えて2021年11月には、こうした取組みの基準になり、お取引先さまへの働きかけの際に用いるツールにもなる「CSR調達ガイドライン」が完成。環境・社会、双方のサプライチェーンにかかわる10の対象領域について、お取引先さまが具体的に何に取り組むべきかをアズビル株式会社の行動指針などとひも付けて詳述しています。例えば、環境に関する「気候変動」の領域では、一般的な企業活動や製造工程における温室効果ガスの排出量削減に向けた活動や再生可能エネルギーの活用について記載。また、社会に関する「労働慣行」の領域では、過重労働の排除、賃金や手当にかかわる法規制の遵守を、そして「人権」の領域であれば、人種、国籍、性別、宗教、信条、身体の障害などによる差別の禁止などの施策の必要性を述べています。

サプライチェーンにおける評価指標の対象領域

サプライチェーンにおける評価指標の対象領域

サプライチェーンのCSR活動を評価するazbilグループのPDCAサイクル

サプライチェーンのCSR活動を評価するazbilグループのPDCAサイクル

二次請け以降のパートナーも含めた網羅的視点でSDGsに取り組む

2021年12月にはCSR調達ガイドラインについての説明会をオンラインにて実施。アズビルの主要なお取引先さま313社中、276社が参加し、その多くがアンケート調査で取組みを強化していきたいという前向きな意見を示しています。そうした意味では、サプライチェーン全体での取組み強化の必然性だけでなく、取組みの推進がお取引先さま自身の企業価値向上においても必須であることを理解いただいているといえます。

さらに、502社のお取引先さまから寄せられた自己評価アンケート回答の検証を通じて、例えば環境側面の取組みについては、部品メーカーなどの製造業と、工事事業者やビル設備のメンテナンス・管理事業者など役務関係では、取組みの進捗にばらつきがあるといった現状も浮彫りになっています。こうした現況をazbilグループ側の方針・戦略や体制・仕組み、取組み施策へとフィードバックし、お取引先さまへの働きかけや協働のあり方についての改善に力を入れていくという形で、PDCAサイクルを継続的に回していくことになります。

サプライチェーン全体を網羅した社会的責任の遂行という観点では、azbilグループが直接取引しているお取引先さまにとどまらず、二次請け、三次請けといった、お取引先さまの先に連なるパートナー各社をも包含した取組みでなければなりません。そうした点についてもazbilグループでは、直接のお取引先さまの協力を得ながら効果的なアプローチを検討しています。今後も継続してazbilグループSDGs目標の一つとして掲げる「サプライチェーン、社会的責任」の2030年の達成に向け、サプライチェーン全体にわたって環境・社会の両側面における社会的責任を果たすべく取組みを推進していきます。

*1:SDGs(Sustainable Development Goals)
2015年の国連サミットで採択された、2016年から2030年までの国際目標のこと。「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現するための17のゴールと169のターゲットが示されている。

*2:RoHS指令
The Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment( 電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会および理事会指令)の略称。2002年に最初のRoHS指令が公布され、2011年に全面改正されたEU(欧州連合)の有害物質規制。

*3:REACH 規則
人の健康と環境の保護、欧州化学産業の競争力の向上などを目的に、2007年6月1日からスタートした、欧州における化学物質の総合的な登録・評価・認可・制限の制度。「Registration(登録), Evaluation(評価), Authorisation(認可) and Restriction(制限) of Chemicals(化学品)」の略。

*4:36協定
会社が法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えた時間外労働を命じる場合、必要となる労使協定。

*5:ESG
Environmental(環境)・Social(社会)・Governance(企業統治)の頭文字。社会や企業の持続的成長のためにはこれら三つの観点が必要という考え方。

この記事は2022年03月に掲載されたものです。