お客さまとの「対話」を通して新たな価値を提供
― BA事業の製品・サービスを体感しながらディスカッションできる協創の場「イノベーションプラザ」が大阪に誕生 ―
「人を中心としたオートメーション」を理念に掲げるアズビルでは、常にお客さまとの対話を大切にし、ともに歩みを進めてきました。時代に合わせて変化が求められるビルディングオートメーション事業において、さらに価値ある製品・サービスを提供するため、2022年10月、大阪に「イノベーションプラザ」をオープン。アズビルの製品・サービスをお客さまに体感いただくと同時に、快適な居室空間の実現を推進していく場となっています。
活況な関西エリアの建物市場、省エネルギーソリューション事業も順調
アズビル株式会社は、「ビルディングオートメーション(BA)」「アドバンスオートメーション(AA)」「ライフオートメーション(LA)」の三つの柱で事業を展開し、長きにわたって積み重ねてきた計測と制御の知見と技術でお客さまの課題を解決してきました。BA事業では、新築建物への空調制御システムの導入から既設建物の中央監視システムのリニューアル、空調設備の省エネルギーソリューションまで、建物のライフサイクルに応じた製品やサービスを提供し、快適性や省エネルギーといった建物の価値向上を提案しています。
BA事業を担うビルシステムカンパニー関西支社では、関西エリアの2府4県において、新築、リニューアル、ESCO事業*1・省エネルギーソリューションといった分野ごとに事業を展開しています。同エリアは商業・オフィスビルのほか、工場や病院、研究施設など建物の運用・管理に関する需要も非常に多い地域です。近年、関西エリアでは2025年に開催予定の「大阪・関西万博」や、誘致が進んでいる大阪IR統合型リゾート計画、そして京阪神エリア全体で大規模な民間再開発計画が多数進行しています。一方で、2010年代に竣工(しゅんこう)した商業・オフィスビルがリニューアルの段階を迎えており、今後の同エリアの建物市場は活況の見通しとなっています。
また、関西地区ではESCO手法を活用した建物設備改修事業が活発に行われていることも一つの特徴です。ESCO事業者であるアズビルは、政府が主導する省エネルギーの支援事業に対して、申請から効果検証、報告まで一貫してお客さまのパートナーとしてサポートを行っています。
こうしたESCO事業・省エネルギーソリューションなどの分野を支えているのが、アズビルの中央監視システムです。対象となる建物の空調・熱源などの運転データを収集・蓄積し、機器の状態などを分析することや、どういったところにエネルギーの無駄が生じているかを確認したり、建物の運用状態を見える化するなど、蓄積されたデータに基づき確かな提案ができることがアズビルの強みとなっています。
2050年の脱炭素の実現に向けた取組みが各自治体で進められており、アズビルは省エネ施策のノウハウや制御技術を基にお客さまの課題解決に一緒に取り組んでいます。
快適性・生産性を実現するシステムを体感できる新拠点
多様化するお客さまのニーズを背景に、BA事業の製品・サービスをご覧いただき、お客さまの声を直接伺うための場所として誕生したのが「イノベーションプラザ」です。これまでの西日本BOSSセンターに併設されていたショールーム「APプラザ大阪」を移転・リニューアルする形で、2022年10月、JR大阪駅前の大阪梅田ツインタワーズ・サウス18階にオープンしました。
最大の特徴は、アズビルの製品やサービスをより身近に感じていただける点です。建物設備をトータルに制御/管理する中央監視システムをはじめとしたBAシステム製品群はもちろん、在室者の手元の端末からの、個人の体感に合わせた「暑い」「寒い」という申告によって、在室者にとって快適な空調をゾーンで制御するシステムもご覧いただけます。加えて、赤外線アレイセンサで居室エリア内の人数や位置を検出し、それらの情報と連携した調光制御のほか、照明の色で室温の感じ方が変わることを利用した調色制御など、空調制御だけではなく様々な設備と連携した最新のシステムを実際に体感していただくことができます。お客さまにとって快適で心地よいオフィス環境を実現するための技術を体感いただける場となっています。
イノベーションプラザの中央にあるプレゼンエリア。照明の色を白色から黄みがかった色まで変えることができる。照明の色によって感じ方が変わることを体験できる。
「体感+対話」の場として機能、さらなるイノベーションに寄与
イノベーションプラザはまた、お客さまが抱えている課題を明確にし、実際の運用データを検証、最適なソリューションを提案するといった、お客さまとの対話の場としての役割を担います。
新築/既存、ビルオーナー/テナント、オフィスビル、病院など、様々な立場のお客さまから「快適な空間で働きたい」「SDGsにつながるオフィスを作りたい」「病院の安心と安全を守りたい」といった課題を伺い、その課題の中から新しいソリューションのアイデアを検討し、それを提案・形にすることで建物を快適で生産性の高い空間にするようにお客さまと協創していきます。特に、既設物件の改修においては常に課題やニーズが潜在しているため、いかにお客さまに満足いただける提案ができるかということを重視しています。
一方で、外部設備メーカーとの協業も進めています。イノベーションプラザ内には既に他社との協業で実現した照明制御システムが導入されていますが、今後も、協業によって新たな製品・サービスを創出する際のディスカッションスペースとしても活用していきます。
さらに、同プラザ内にはアズビルの従業員が利用できるワーキングスペースも設け、サテライトオフィスとしても活用。従業員が働きたい場所で働くことができるニューノーマル時代に求められるABW*2の推進にも寄与しています。
多彩な機能を併せ持つイノベーションプラザでは、インフラの老朽化や働き方改革、ウィズコロナ、アフターコロナといった社会の課題に対して、人を中心としたオートメーションの形として、地球環境にも配慮しながら提案していきます。今後もアズビルでは、お客さまのよりよい居室空間の実現に貢献してまいります。
ラウンジエリアからはJR大阪駅周辺のビル街を一望できる。ゆったりしたスペースでお客さまとの対話が進められる。
サテライトオフィスとしての機能も果たすイノベーションプラザでは、従業員が集中して仕事ができるスペースも用意している。
*1:ESCO(Energy Service COmpany)事業
工場やビルの省エネルギーに関する包括的なサービスの提供を通じて、そこで得られる効果をサービス提供者が保証する事業。
*2:ABW(Activity Based Working)
働く人が仕事をするために最適な環境(場所・時間など)を選ぶことができるワークスタイル。
この記事は2023年02月に掲載されたものです。