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クラウド事業の統括部門を設置しサービスを強化

― DXを支えるサービスプラットフォームを整備
安全・安心にクラウドを活用できる体制の構築で、ビジネス成長に貢献 ―

azbilグループでは、2030年度をゴールとする「長期目標」の達成に向け、三つの成長事業領域を定義しており、それらの強化には、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に向けたサービスの提供と、それを支える基盤の整備が不可欠であると捉えています。そこで、azbilグループ全体のクラウドサービスの統制を行うグループクラウドサービス部を新設し、クラウドサービスの運用から品質向上、さらにはビジネスとしての成長までを見据え、取組みを進めています。

成長事業領域強化の礎となるクラウドサービス専門組織を新設

人を中心としたオートメーションで、持続可能な社会へ「直列」に繋がる貢献と、持続的な成長を目指すazbilグループ。2021年5月には、2030年度をゴールに見据えた長期目標として、売上高4,000億円規模、営業利益600億円規模の企業体になることを掲げ、その達成に向けた最初のステップとして2021~2024年度を対象とする「中期経営計画」を策定しました。「新オートメーション事業」「環境・エネルギー事業」「ライフサイクル型事業」の三つを成長事業領域と位置付け、ビルディングオートメーション(BA)、アドバンスオートメーション(AA)、ライフオートメーション(LA)の各事業を横断するかたちで、新たなビジネスモデル創出に向けた変革の取組みを展開しています。

近年のSDGsやカーボンニュートラルへの取組みを背景に、社会の要請やお客さまの課題はより高度で複雑化しています。そうした中で、お客さまに新たな価値を提供しビジネスを成長させていくには、クラウドやAIを活用した先進的なシステム・ソリューションやDX*1の実現に向けたサービスの提供と、それを支える基盤を整備していくことが不可欠です。そこでアズビル株式会社では、より付加価値の高いクラウドサービスの提供に向けた体制を強化していくことを目的に、2023年4月にグループクラウドサービス部を発足させました。

クラウドサービスにかかわる専門組織としては、2019年4月にクラウド運用センターを立ち上げています。同センターは事業の垣根を越えて、主にazbilグループのクラウドサービス全般の運用を統括するという役割を担い、BA、AA、LAの各事業体がそれまで個別に運用してきたクラウドサービスに対して共通基盤化を進めることや、セキュリティ対応を含むシステム運用プロセス、サービス実装の標準化などを推進し、お客さまに安全・安心なクラウド環境を提供してきました。新設されたグループクラウドサービス部では、それらクラウド運用センターが担っていた機能のすべてを引き継ぐとともに、各事業で提供するクラウドサービスの運営方法の企画や整備、サービスの品質向上や成長の後押しを行うなど、より踏み込んだ活動を推進していくことになります。

サービス間の連携強化に向けた施策の立案・調整も重要な役割

クラウドを活用したサービスとしては、24時間365日体制でビルを遠隔から監視・制御する総合ビル管理サービスBOSS-24™や、建物運営に重要な制御情報をネットワークを通じて収集・解析・診断を行い、予防保全の観点から適切なタイミングでのメンテナンスを支援するリモートメンテナンスサービス、設備の稼働状況を可視化して省エネ診断や省エネ提案を行うエネルギーマネジメントサービスがあります。また、近年では、ビルのエネルギー管理や設備管理業務の効率化を図り、管理コストの削減を実現するビル向けクラウドサービスも展開しています。これらのサービスを連携させることで、現在アズビルのネットワークに接続されているお客さまに対し、クラウドに収集されたデータを利用してさらに付加価値の高いサービスや利便性の向上を図っていくことも可能です。このため、サービス間の連携をより密なものとし、複数のサービスがお客さまにとってより使いやすく、相乗効果を得られるよう調整を行い、総合的なサービスを提供できる仕組みを整備していくこともグループクラウドサービス部の重要なミッションの一つです。さらにその一環として、システムなどの基盤の整備にとどまらず、例えばBA事業では、お客さまへ省エネ提案を行っている一部の担当者だけではなく、現場でお客さまの支援にあたっている全国のサービスエンジニアが省エネルギーに向けたデータ分析や具体的な施策の立案などを総合的に行えるよう、人材育成にも注力しています。


クラウドによるお客さまの空間の質向上の体制

クラウドによるお客さまの空間の質向上の体制


グループクラウドサービス部の運用

グループクラウドサービス部の運用

効率化や快適性の実現に貢献し新たな付加価値の創出を目指す

クラウドサービスの強化はBA事業だけでなく、AA事業やLA事業においても不可欠です。例えばAA事業では、石油化学プラントをはじめとする生産現場のバルブの診断を行うDx*2 Valve Cloud Serviceを、LA事業ではLPガス用のスマートメーターをクラウドに接続し、LPガス事業者による遠隔での検針作業を支援するガスミエール™を提供しています。グループクラウドサービス部では、これらクラウドサービスと各事業領域のフィールドサービスとを、密接に融合させた新たな付加価値の創出を念頭に、サービス内容のブラッシュアップを図る取組みも進めていきます。

また近年、社会や人々のウェルネスへの意識が高まる中、アズビルでもクラウドを活用した快適性の実現に取り組んでいます。例えば、建物の室内空間を細かいゾーンに分割した空調制御システムもその一つです。在室する人々が「暑い」「寒い」といった体感を、手元の端末を通じてクラウド経由でフィードバックし、システムが必要な制御を行うことで、自分のいる空間の温度を変えて快適性を実現することができます。

このようにazbilグループではクラウドを活用したさらなるビジネス展開により、お客さまに新たな価値を提供していきたいと考えています。クラウド体制の強化は、お客さまを持続的に支援する「ライフサイクル型事業」の推進にもつながります。その実現へ向け、今後もグループクラウドサービス部を中心に基盤の強化を推進していきます。

※ BOSS-24は、アズビル株式会社の商標です。

※ ガスミエールは、アズビル金門株式会社の商標です。

*1:DX(Digital Transformation)
進化したデジタル技術を浸透させることにより、人々の生活をよりよいものへと変革すること。

*2:Dx
「Dx」とは医療分野で「診断」を意味する「Diagnosis」の略称。バルブの健康状態を把握し、お客さまにバルブを常に安全にお使いいただくことをこの言葉に込めています。

この記事は2023年12月に掲載されたものです。