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高まる不確実性に向けリスクマネジメントを強化

― 現場と経営の双方からリスクベースアプローチの体制を整備することで、経営に重大な影響を与える可能性のあるリスクを正確に把握し管理 ―

azbilグループでは長年にわたりリスクマネジメントに注力しています。お客さまをはじめとするすべてのステークホルダーの信頼を損なうことのないよう、経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを正確に把握し、影響を最小化するための取組みを進めています。さらに2023年度には、リスクマネジメントにかかわるプロセスの大幅な見直しを実施。ボトムアップアプローチとトップダウンアプローチを一体とした取組みにより、高まる不確実性への対策を強化しています。

不確実性が高まる時代に求められる「リスクマネジメント」強化の取組み

地球温暖化に伴う異常気象、自然災害、新型コロナウイルス感染症のようなパンデミックの発生や世界情勢の変化など、企業にとって想定外の事象が起こり得る「不確実性」が近年高まっています。そうした中で事業活動を維持・継続していくには、起こり得るリスクやその影響を適切に把握し、必要な対策をしっかりと講じていく「リスクマネジメント」が不可欠です。

azbilグループでは、社会からの信頼や企業価値を損なうことのないよう、経営に重大な影響を与える可能性があるリスク要因を正確に把握し、その影響を最小限にとどめるべく、リスクマネジメントの強化に長年にわたって取り組んできました。azbilグループの事業活動は、お客さまの市場である建設業や製造業などの景気の状況はもちろん、部品調達にかかわる業界の動向などにも影響を受けます。しかし、事業に影響を与える要因はそれだけではありません。前述の災害や感染症の発生、地政学的要因による社会環境の変化なども事業活動に深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのため、従来、azbilグループでは年に1度、外的なリスクおよび内的なリスクについて各部門で網羅的に抽出を行い、それを経営層が審議し、重要リスクとして承認するというボトムアップ型アプローチによりリスク管理を行ってきました。


リスクマネジメントプロセス

リスクマネジメントプロセス

プロセス全体を大幅に見直し、取組み内容をブラッシュアップ

そうした中、昨今の不確実性の高まりを受けazbilグループでは、一層のリスクマネジメント強化が必要と考え、2023年度から新たな基準に基づいた重要リスクの選定を行うとともに、リスクマネジメントのプロセスと体制の大幅な見直しを行いました。

見直し後のプロセスでは、経営層が経営目線でリスクを抽出・評価することと並行して、部門の責任者などで構成される「総合リスク管理部会」にて現場目線でリスクを抽出・評価します。それぞれの結果に対して、影響度を縦軸に、発生可能性を横軸に取ったリスクマップを作成し、「総合リスク委員会」では現場目線でのリスクマップの結果も参考にしながら、経営層目線で作成したリスクマップを基にした審議を行い、次年度の重要リスクを選定します。その際に、重要リスクについては所轄担当役員を定め、対策を実施するリスクオーナーを指定し、対処責任を明確化しました。取締役会にてその内容が審査され、承認されることで全社的な重要リスクが決定されるとともに、重要リスク以外のリスクである部門管理リスクも決定されます。

この全社的な重要リスクの選定・決定の資料となるリスクマップは、2023年度から新たに採用されたもので、リスクの影響度、発生可能性に応じて5×5のマトリックス上に事象をプロットすることで、その重要度や対策の優先度が視覚的に判断できるようになっています。プロットに際しては、評価基準として金額的な影響度と発生頻度を定量的に定めています。

こうして重要リスクおよび部門管理リスクを決定した後、経営層、部門の責任者がそれぞれリスク軽減に向けた対応を策定し、それにのっとって対象年度中に、リスク対策への取組みが推進されていくことになります。さらに、「azbilグループCSR推進会議」で四半期ごとに各項目の進捗(しんちょく)状況を確認、総合リスク委員会でも半年に1度の確認を実施して、その結果を取締役会に年度末に報告することで、さらなるリスクマネジメント強化へとつなげていきます。

このように、担当役員など経営層がリスクの抽出・評価の際に、現場でのリスク評価結果のインプットを通じて現場部門の状況を十分に把握し、重要なリスクの抽出についての意思決定を行うというプロセスを導入することで、リスク抽出の段階から、現場だけでなく経営層が深く関与するような、統合的なアプローチへと改めました。

なお、2023年度については、品質や情報セキュリティ、技術・商品開発、国際情勢変化への対応、自然災害、人材の確保・育成の各カテゴリにわたる重要リスクを設定し、それぞれへの対策が実施されています。


リスクマップ

リスクマップ

リスクマネジメント体制を支える「スリーラインディフェンス」

以上のようなリスクマネジメントにかかわるプロセスおよび体制を支えているのが「スリーラインディフェンス」に基づく考え方です。これは、azbilグループ全般の活動において、責任を明確にした三つの防衛線を通じて、組織の内部統制・リスク対応機能の向上を図るというものです。第一の防衛線ではリスクごとに担当役員を明確にして現業部門の自律的管理を強化。第二の防衛線では、主に財務・会計、法務、人事などの間接管理部門が、それぞれの専門知識を活かすかたちでリスクマネジメントに対する牽制や支援を行い、第三の防衛線では、内部監査部門が第一線、第二線によるリスクマネジメント体制の検証と保証を行います。

また、こうしたリスクマネジメントを全社で実践していくには、リスクマネジメントに関する知識を身に付け、リスク対策への意識を醸成していくことが不可欠です。そこで、経営層に向けて外部コンサルタントによるリスクマネジメント教育を実施したほか、社員に向けては、毎年実施しているコンプライアンス教育の中でリスク対策への意識醸成を図っています。

今後もazbilグループでは、有事の際の危機管理や災害発生時の対応などについて、事業継続管理と密接に連動させながらリスクマネジメントの取組みを継続的に強化し、ステークホルダーの皆さまの信頼に応えられる企業を目指してまいります。


スリーラインディフェンスに基づくリスクマネジメント体制

スリーラインディフェンスに基づくリスクマネジメント体制

この記事は2024年02月に掲載されたものです。