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海外事業のさらなる成長に向けた変革を推進

― 地域特性を活かした事業推進・管理体制を通して、グローバル市場での競争力を高め、持続的成長を目指す ―

azbilグループでは、1990年代以降、中国や東南アジア、米国、欧州といった各地域に拠点を設置し、海外での事業を展開してきました。2030年度をゴールとする長期目標では海外売上高1,000億円を掲げ、達成へ向けたさらなる成長を実現するための中期経営計画として、海外事業における「変革」への取組みを推進。地域特性を活かした事業推進・管理体制を確立し、「攻め」と「守り」の両輪でグローバル市場での競争力強化を目指しています。

執行役員常務<br>国際事業推進本部長<br>和田 茂

執行役員常務
国際事業推進本部長
和田 茂

事業成長の重要な柱として、「グローバル展開」を位置づける

アズビル株式会社では、技術・製品を基盤としたソリューション展開により「顧客・社会の長期パートナー」となる、地域拡大と質的転換によってさらなる「グローバル展開」を目指す、そしてビジネスの環境変化に対応する「学習する企業体」へと組織的変革を図るという三つの基本方針の下、ビルディングオートメーション事業、アドバンスオートメーション事業、ライフオートメーション事業の拡大に向けて各種施策に取り組んでいます。

azbilグループは、1990年代から中国や東南アジア、米国、欧州といった各地域に積極的に拠点を設立し、海外での事業活動を推進してきました。さらに2018年4月には、東南アジア全域での包括的な事業の展開や伸長を主目的とした本社直轄組織として、シンガポールに東南アジア戦略企画推進室を設置。地域全体を見据えた横断的な事業推進・戦略企画・経営管理など、現在では、シンガポール、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピン、インドの7カ国の現地法人との連携により域内の事業活動の活性化と事業伸長の実現に取り組んでいます。

2024年5月現在、azbilグループでは16カ国・地域に海外現地法人や支店などを設置し、事業を展開しています。2021年5月に策定した2030年度をゴールとする「長期目標」では、これらの拠点をベースに海外売上高1,000億円を目指すとし、その達成に向けた2021~2024年を対象年度とする中期経営計画では、同売上高660億円を目標に掲げ、取組みを推進しています。

グローバルネットワーク

「攻め」「守り」の両輪の変革で取組みを新たな次元へと導く

2023年度、azbilグループではこうし たビジネスのグローバル展開において、 「変革」をテーマとして新たな施策に着手 しました。これまでの取組みをさらに加速 させ、より高次なものへと進化させるため、「攻め」と「守り」の両輪で進めています。

「攻め」の取組みとしては、これまでazbilグループのグローバル展開をけん引してきた国際事業推進本部内に新たに企画推進部署を設置し、同部門を中心に、チャレンジすべき事業領域や新しい市場における戦略立案、および事業や地域特性に応じた施策の企画を推進しています。これにより、さらなる海外事業の拡充へ向け、長期目標のターゲットである2030年以降を見据えた新たな経営戦略の検討を実施。今後の社会環境や技術動向の変容も見据え、azbilグループがこれまで培ってきた知見はもちろん、外部のコンサルティング会社の見識なども積極的に取り入れながら進めています。加えて、事業および地域特性に応じた現地法人の連携強化施策の一環で、本社直轄組織として活動を続けてきた東南アジア戦略企画推進室を、国際事業推進本部の傘下に置くという組織再編も2023年4月に行っています。これにより、東南アジア戦略企画推進室は、東南アジア・インドの各国の現地法人とより密接に製品やサービスにも踏み込んで展開するなど、これまで以上に広範な機能を持つ組織となりました。

新しい東南アジア戦略企画推進室では、既に東南アジアを中心に様々な取組みを主導してきています。その一つが、シンガポール政府の支援の下で進めるDX CoE(Center of Excellence)*1 活動です。また、主にオフィスビルなどの建物領域における空調の中央監視システムの高度化やエンジニアリング人材の育成といった面で、同国のDX推進をサポートする試みも始まっています。さらにazbilグループの各国現地法人が連携し、グローバルで事業を展開する顧客に向けてソリューションを提供することで、そのようなグローバル顧客が各国で展開する建物へ空調制御技術や省エネソリューションを導入し標準的な管理ができる体制を構築しています。これについてはグローバル大手金融機関等のデータセンター向けソリューションとして実績が出てきています。

そのほかインドでは、インド工科大学ルールキー校との間で共同研究についての覚書を2023年5月に締結しました。アズビルおよび同大学が高い関心を抱く革新的デジタルソリューションの推進プロジェクトや、専門知識、人材の相互提供などを行っています。さらに東南アジア戦略企画推進室が統括する地域内のステークホルダーや政府に向けた気候変動関連のESG情報開示の取組み強化も推進しているところです。

グローバルで標準化された管理手法で、CSR経営やガバナンスの強化を図る

一方、グローバル展開の変革に向けた「守り」の施策には、海外拠点の経営管理強化の取組みが挙げられます。「業務運営の標準化、共通化、効率化」を切り口とし、CSR経営やガバナンスの強化を念頭に、グローバルで共通の経営管理ルールを設定し、さらに国や地域ごとの法規制なども踏まえた適切なルールの適用や運用を、国際事業推進本部が支援していく計画です。

また、経営管理強化の重要な課題である「人材育成・人材基盤の整備」については、azbilグループの教育を担当するアズビル・アカデミーを中心に、各現地法人の人事マネジャーや財務会計担当者など職務に応じた教育プログラムやコンプライアンス教育を展開しています。

このようにazbilグループでは、海外での一層の基盤強化と事業伸長に向けた各種施策を講じ、取組みを進めています。今後も日本国内で培ってきた技術やノウハウをベースに地域特性を活かした事業を推進、管理体制を確立し、グローバル市場における競争力と存在感を高めることで、持続的に成長をしていきたいと考えています。

海外事業展開

*1:CoE(Center of Excellence)
専門知識を持つ優秀な人材や設備、ノウハウを部門横断的に1カ所に集約し、組織化すること。

この記事は2024年05月に掲載されたものです。