製品サポートセンターを核にカスタマーサクセス施策を強化
― 工事業者や需要家を含むすべてのお客さまに対する能動的なアクションによって潜在的課題の解決を支援 ―
ガスメーター、水道メーターなどの計量器専門メーカーとして国内外の生活/産業インフラを支えてきたアズビル金門では、従来の製品サポート機能をより進化させることを目的に、2021年4月にカスタマーサクセス部を設置しました。お客さまに向けたサポート窓口としての役割に加え、能動的なアクションによって、お客さまが抱える潜在的課題を掘り起こし、その解決に向けた提案を行うインサイドセールスの機能を併せ持つ組織として活動を行っています。
クラウドを活用したサービスを提供し、お客さまのDX推進をサポート
azbilグループでは、建物分野のビルディングオートメーション(BA)事業、工業分野のアドバンスオートメーション(AA)事業と並び、「人々のいきいきとした暮らし」に直接貢献することを目的としたライフオートメーション(LA)事業を、事業の柱と位置付けています。それらazbilグループの三つの事業のうち、LA事業の一翼を担ってきたのが、2005年にazbilグループに加わったアズビル金門株式会社です。
同社は1904年に国産初のガスメーターを開発・市場導入したパイオニアとして、創業以来ガスメーター、水道メーターなどの計量器を中心に事業を展開し、国内外のガス/水道のインフラを支えてきました。近年では、メーターで取得したデータの利活用を推進するため、サービス事業を強化しており、2019年4月にはクラウドサービス ガスミエール™、2022年には電力網を利用したサービスの提供を開始するなど、メーターで取得したデータを活用するSMaaS(Smart Metering as a Service)*1事業にも注力しています。また、エネルギーの効率的な利用、人々の生活品質の向上、お客さまの事業効率の向上など新たな価値を社会に提供するためにお客さまのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進にも貢献しています。
顧客の潜在的な課題解決へ向けて、能動的に改善策の提案を実施
このように常に時代の変化を捉え、ニーズに応えてきたアズビル金門では、製品・サービスの価値を高めていくことを目的に2014年に設置した製品サポートセンターを包含する形で、さらに、営業、サポートの両面での顧客支援を推進するため、2021年4月にカスタマーサクセス部を設置しました。それまではアズビル金門製の計量器の取付け・利用にかかわる工事業者や施設管理者、エンドユーザーからの問い合わせについては各営業担当者が対応してきました。これらの問い合わせ対応窓口を、カスタマーサクセス部内の製品サポートセンターに設けることにより、お客さまからの問い合わせ対応に加え、お客さまが抱える潜在的な課題を掘り起こし、その解決に向けた効果的な製品・サービスの提案を行うインサイドセールスとしての役割も担うことになりました。これにより、お客さまの現場に赴くフィールドセールスと、インサイドセールスとしての製品サポートセンターが連携して、お客さまが抱える問題が解決するまで継続的に支援していくという体制を整えられます。さらに、多く寄せられる問い合わせ内容や要望を自社の製品やサービスにフィードバックしていくことも可能となりました。また、アズビル金門が提供するSMaaS型のサービスをご紹介し、お客さまの利便性・生産性向上を支援することに加え、問い合わせを受けて問題の解決を支援するという受動的な対応だけでなく、能動的なサポートも積極的に行い、お客さまの成功、すなわちカスタマーサクセスへの貢献を目指しています。
こうした取組みについてアズビル金門では、自社製品の販売先である管材商社、メーターを所有・管理する水道局やガス会社はもちろん、メーターが設置されている工場や建物の工事業者や需要家の方々すべてを“お客さま”と捉え、サポートを行っています。
カスタマーサクセスに対する意識醸成に向けた教育施策にも着手
カスタマーサクセス部では、高い満足度と信頼を得られる相談の応対といった製品サポートやインサイドセールスの強化を軸に、様々な施策を展開しています。例えば、Webサイト上のFAQコーナーを拡充する取組みをはじめ、問い合わせの多いメーターの表示の設定方法などに関しては、製品同梱(どうこん)の取扱説明書にQRコードを載せ、そこから解説動画へ直接アクセスできるような仕組みも整備しています。
テナントビルなどでは、水道局が管理する親メーター以外に、各テナントへの課金用に子メーターをビル側で設置しているケースが多くあります。それらの子メーターが「計量法」上の有効期間*2を過ぎているケースも少なくありません。そうしたケースに対しては、メーターの速やかな交換を提案するだけでなく、計量法の内容や、各テナントの公平性を担保し、テナントとオーナーの信頼関係を築いていく上でメーターの正確性が不可欠である旨を説明するといった、お客さまが適切にメーターの利用を継続していただけるための支援なども行っています。
こうしたカスタマーサクセス部での取組みを核としながら、アズビル金門では営業担当者をはじめとして、開発、生産、さらにはスタッフを含めた全部門が、常にお客さまの視点で考え、活動していくことが重要であると考えています。その実現に向けては、フィールドセールス、インサイドセールスを中心に各部門でお客さまの情報を共有しながら、コラボレーションを図っていくための基盤整備を進めるとともに、全社員を対象にカスタマーサクセスに向けた意識を醸成していくための教育を実施しています。
アズビル金門では、このような取組みを通して、計量を超えた、より高度な付加価値をお客さまとともに創造し、工事業者、需要家を含めた幅広いお客さまに「アズビル金門」のファンになっていただき、市場での存在感をますます高めていくことを目指してまいります。
※SMaaS、ガスミエールはアズビル金門株式会社の商標です。
※QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
*1:SMaaS(Smart Metering as a Service)
メーターのスマート化を目指すアズビル金門の事業の総称で、多様なデータを重ね合わせることで、サービスとして「スマート」な計量を提供すること。
*2:有効期間
計量法において特定計量器は、有効期間が定められており、ガスメーターは7年または10年、水道メーターは8年で、有効期限を過ぎたメーターは、新たに検定に合格した有効期間内のメーターに交換が必要。
この記事は2024年06月に掲載されたものです。