SDGsサプライチェーン活動報告書
お取引先様と共に 社会的責任を果たすための取組み
azbilグループでは、お取引先様と共に社会的責任を果たすための取組みを進めており、ターゲットとして、『お取引先様と共に「持続可能な開発目標(SDGs)」を共通目的として連携し、サプライチェーンにおけるCSRの価値共有を実現』することを掲げております。
お取引先様と長期にわたる信頼関係を築き、お取引先様とazbilグループ双方の付加価値向上をはかることを基本に取組みを進めております。
これらの活動実績を社外に開示することにより、株主、機関投資家、お取引先様等から広くご意見・ご要望を頂戴し、今後の活動に反映していく所存です。
上記の考え方に基づき、azbilグループでは、サプライチェーンに関するSDGsの枠組みと、1年ごとの活動実績をまとめた「サプライチェーン活動報告書」を毎年発行していきます。是非、ご覧ください。
SDGsサプライチェーン活動報告書
- 2023年度版(2,917KB)
(2024年1月掲載)
azbilグループは、2022年度より人権デューデリジェンスやCO2排出力削減等、お取引先様全体に網羅的に働きかける施策に取り組んできました。2023年度はこれまで以上に、azbilグループからの働きかけ施策のマッチング度を高め有効性を上げることを目的に、お取引先様個社ごとに訪問や対面でのヒアリングも実施してまいりました。その中で、お取引先様個社ごとに環境面・社会面での意向や取組み状況の把握を行うとともに、今後の方向性について合意形成を実施してまいりました。
お取引先様個社訪問等でのヒアリング、意見交換での成果
環境面:
環境負荷低減に向けた、環境面でのお取引先様訪問(一部リモート会議も含む)でのヒアリング・実査は、50社になります。調査対象は、気候変動対応(CO2削減)、汚染・資源、水の安全保障・水リスク、生物多様性、環境マネジメントの5項目です。実際には、下記サステナブル調達ガイドラインhttps://www.azbil.com/jp/corporate/procurement/policy/sustainable_guideline/index.html
の表にある小分類ごとに実態確認を実施しています。
たとえば、「汚染・資源」においては、グリーン調達や製品含有化学物質管理という視点で実態確認を実施しました。
- 法令違反の是正
各社の環境面での取組み実態確認を行う際に、法令遵守のチェックも実施いたしました。その結果、産業排水処理が不適切で法令違反リスクがあるお取引先様が1社有りましたので行政への確認と指導を仰ぐように是正を依頼しました。 - CO2排出量削減に向け、お取引先様と意見交換
CO2排出量削減に向け以下の4段階で検討を進めていく必要があることを、お取引先様個社ごとに、説明・共有いたしました。- お取引先様自社でのエネルギー使用量の把握(スコープ1,2の把握)
- 次に、お取引先様の購買品目と購買金額・量の把握(スコープ3の把握)
- これらの現状把握を踏まえて、CO2排出量削減の目標設定を実施すること
- 目標設定に沿う形で、削減取組み施策を実施していくこと
また、その説明と質疑応答の中で、お取引先様が現在どのステージにいるかの診断も実施するとともに、次のステップに上がるためにどのような難しさがあるかを意見交換しました。
社会面:
社会面でのお取引先様訪問(一部リモート会議も含む)でのヒアリング・実査は、32社になります。調査対象は、労働慣行、健康と安全、人権、コミュニティ (地域社会)、品質・顧客の5項目です。実際には、下記サステナブル調達ガイドラインhttps://www.azbil.com/jp/corporate/procurement/policy/sustainable_guideline/index.html
の表にある小分類ごとに実態確認を実施しています。
たとえば、「労働慣行」においては、過重労働時間の削減、差別の禁止、ダイバーシティ推進という視点で実態確認を実施しました。
- 法令違反の是正
各社の社会面での取組み実態確認を行う際に、法令遵守のチェックも実施いたしました。
その結果、以下のような法令違反事例を確認しました。
労働安全衛生法で定められている
- 10人以上の事業場で、安全衛生推進者が設置されていない : 14件
- 安全衛生教育が実施されていない : 8件
- 50人以上の事業場で、ストレスチェックが実施されていない : 2件
これらのお取引先様に対し、是正措置として以下を依頼しました。
- 安全衛生推進者の設置と推進者への教育の実施 : 実施中・完了 8件
- 人材雇入れ時、配置転換時に、その職務に合った安全衛生教育の実施と記録を残すこと : 実施中・完了 5件
- 従業員のメンタルヘルスケアとして、ストレスチェックを実施すること : 実施中・完了 1件
(実施中・完了件数は23年12月時点のものです)
- azbilグループ サステナブル調達ガイドライン違反の是正
法令違反ではありませんが、azbilグループ サステナブル調達ガイドラインへの違反事項を確認しました。
- 労災対策として、緊急事態発生の対応マニュアル等が未整備 : 11件
- 労災発生時の再発防止・予防策が実施されていない : 6件
これらのお取引先様に対し、是正措置を依頼しております。
法令違反、サステナブル調達ガイドライン違反案件ともに、現在、お取引先様で是正措置が完了しているかの確認を実施中です。
今回の訪問でのヒアリング・実査は非常に成果が大きかったことから、今後も継続的に個社訪問を実施し、網羅的な施策と併用することで、azbilグループの取組み施策効果を最大化するとともに、お取引先様での付加価値向上にもつなげていきます。
お取引先様の能力開発(キャパシティービルディング)
- 2022年度までの活動
お取引先様が環境や人権尊重等の社会課題に対応するために必要な取組み内容を示したサステナブル調達ガイドラインを使って、お取引先様への研修・教育を、azbilグループ各社で実施してきました。この説明会の中で、環境に配慮した事業活動や人権尊重に向けた取組みを説明するとともに、人権への期待を伝えています。 - 2023年度の活動
50社のお取引先様訪問時にベストプラクティスの共有を含めたキャパシティビルディングについても実施しました。今回の訪問ヒアリングから、自前で環境・社会面の取組みを考えるのは難しいので、同業・同規模での取組み事例を知りたいというお取引先様が多数いることが判明しました。そこで、今回ヒアリングで収集した事例を一覧化し、ヒアリングしたお取引先様全てにフィードバックすることで、お取引先様各社での施策検討の参考にしていただいております。azbilグループのお取引先様が実際にやっている取組みであることからお取引先様には親和性が高いこと、どれくらい多くのお取引先様が取り組んでいるかを示すことで取組みの難易度のバロメーターとなり、お取引先様の自発的な取り組みを支援します。
【お取引先様 取り組み事例】
取組み比率 ◎:40%以上 〇:20%以上40%未満 △:20%未満
分野 | テーマ | 小分類 | 事例 | 取組み比率 |
---|---|---|---|---|
環境 | CO2排出量削減 | 社用車 | 社用車、フォークリフト等をEV、HVに変更。社用車のエンジンをサイズダウン | ◎ |
社用車相乗り | △ | |||
社用車は無し、移動は公共交通機関のみとしている | △ | |||
標準プログラム実施 | ECOプログラム(アズビル施策)の継続実施 | 〇 | ||
ECOアクション21(環境庁施策)または自治体施策の実施 | △ | |||
空調機 | 空調機、コンプレッサー等を省エネ型に変更し、節電 | ◎ | ||
照明器具 | 照明器具をLED化 | ◎ | ||
照明器具・OA機器をまめに消灯、または場所により人感センサーを設置し、自動消灯 | ◎ | |||
照明器具、機械の電源落とし忘れ防止を社員会議で徹底、改善 | △ | |||
断熱 | 窓や屋外の室外機を遮光する | 〇 | ||
事務所窓を複層ガラスへ切り替え | △ | |||
再生可能エネルギー | 太陽光パネル導入 | 〇 | ||
その他 | 生産設備更新時に節電効果の高いものに更新 | △ | ||
環境取組みについてコンサルタントに相談、依頼している | △ | |||
汚染・資源(大気、排水、有害廃棄物、廃棄物削減、原材料等) | グリーン調達 | 備品は(アスクル等の)グリーン商品の購入 | 〇 | |
設計時にグリーン調達を意識して製品設計をしている | △ | |||
製品含有化学物質管理 | RoHS、REACHの適合確認 | 〇 | ||
見積の時点で対応できるメーカーを選定 | △ | |||
アズビル指定のさび止めの塗料選択 | 〇 | |||
|
紙をシュレッダで細かくして緩衝材に再利用。ダンボールを再利用。 | 〇 | ||
不良基盤、使わなくなった板金、ダンボール等をリサイクル | 〇 | |||
ケーブルや廃棄ドラム、材料の端材を回収、再利用 | 〇 | |||
製品配送の際に通い箱などを活用 | △ | |||
再生紙、裏紙の利用 | 〇 | |||
環境マネジメント | 環境管理活動 | ISO14001取得 | 〇 | |
社会 | 労働慣行 | ダイバーシティー | 外国人の雇用 | ◎ |
外国人技能実習生を採用、その後も雇用化 | △ | |||
東南アジア(ベトナム等)にリモート拠点を持ち、現地の人を採用 | △ | |||
女性の活躍促進(女性管理職増加 等) | ◎ | |||
高齢者(65歳以上)雇用延長 | ◎ | |||
障碍者の雇用 | 〇 | |||
男性社員も育休取得、時短勤務可能 | ◎ | |||
健康と安全 | 健康と安全管理 | 社内に、AED、血圧計、休憩用ベッドの設置を検討 | △ | |
社内外にメンタルヘルスの相談窓口を設置 | 〇 | |||
アズビル安全衛生協議会での事故の事例や、ヒヤリハットの話を社内で展開 | ◎ | |||
働き方改革、ワークライフバランス | 出産2年で保育園入れない人は育休を延長 | △ | ||
小学校6年生まで時短勤務ができる制度の設定 | △ | |||
学校行事の多い月は、休日を増やす等の配慮 | △ | |||
ノー残業デーの導入 | △ | |||
土曜日も出勤になる可能性が高い現場業務なので1日6.5時間×6日/週 勤務としている | △ | |||
メンタル不調対策として、夜間作業の前後に半日有休取得を推奨する制度を導入 | △ | |||
在宅勤務、テレワーク環境の整備、時差通勤の導入 | ◎ | |||
積極的に事務処理効率化を図る。(例:IT導入、黒板機能のデジタル化等) | △ | |||
コミュニティ(地域社会) | 地域振興、社会貢献につながる活動 | 地域の行事、祭り、神社、学校、公共団体等への寄付 | ◎ | |
地域の清掃活動、町内会活動に参加 | 〇 | |||
ESG私募債の購入 | △ | |||
品質・顧客 | 公正な商取引の遵守(法令遵守を含む) | 新規取引の会社は、取引先調査票を提出してもらい、問題がないか確認 | △ | |
品質マネジメント | ISO09001取得、またはそれに準じた活動 | ◎ | ||
全般 | azbilグループ サステナブル調達ガイドラインの熟読、月次定例会の議題にSDGs組込み | △ |
*「azbilグループCSR調達ガイドライン」は、2024年9月に「azbilグループ サステナブル調達ガイドライン」に名称を変更いたしました。
皆様からのご意見・ご要望を、今後の活動に反映させたいと考えております。
SDGsサプライチェーン活動報告書、もしくはSDGs全般に関するご意見・ご要望・お問い合わせは、こちらのフォームへお願いいたします。
【過年度の報告書と実績】
- 2022年度版(3,127KB)
- 2021年度版(2,909KB)
(2023年1月掲載)
2021年度に行ったお取引先様自己評価アンケート(※)の結果に基づき、リスク評価を実施しました。
- 環境と社会、各々の側面について、高リスクのお取引先様を特定しました。
- 該当するお取引先様には、補強すべき分野を伝え、改善をお願いしました。
- この活動は毎年継続し、定期的に実施してまいります。