コンプライアンス
社会の一員として企業存立上の基本的な責務を果たすために、国内・海外に展開しているazbilグループ全体に対し、コンプライアンス遵守、内部統制システムの構築に努めています。
コンプライアンスの徹底
azbilグループでは、2019年10月に企業行動指針および行動基準を改定しました。
「azbilグループ企業行動指針」は、グループ理念の実現に向けた企業行動の道標となるものであり、従来の企業倫理を意識した内容から、グローバルやダイバーシティ、SDGsなどの世の中の変化を踏まえた上でazbilグループ企業理念を実践するために果たすべきミッションを示した内容へ一新しました。 また、「azbilグループ行動基準」は、企業倫理を重視した役員・社員の行動についての具体的規範であり、世の中の変化や法令改正への対応、さらにグローバルで統一された運用を行うことを目的に48項目に改定しました。
行動基準は「行動基準の遵守」「企業の公共性、社会的責任の遂行」「公正な商取引の遵守および腐敗防止」「人間尊重の社会行動」「適正な会社財産の管理・運用」「環境保護の推進」といった6項目からなっており、行動基準に違反する行動を発見した場合の報告義務と報復の防止に関する基準を設け、適切な牽制機能が働く環境を整えています。
2020年1月には、各国・地域で働く全ての社員へ確実に浸透するよう、企業理念と企業行動指針からなる「azbilブック」および「azbilグループ行動基準ブック」を作成しました。これらの冊子は、グローバルに社員の理解が進むように、和文に加え英文・中文など10言語で翻訳、配布を行っています。毎年eラーニング等により、企業行動指針や行動基準、azbilグループ人権基本方針についてグループ全社員に教育を行っています。また、定期的に行われるコンプライアンス教育や毎年10月に定めている倫理月間におけるトップメッセージ等も利用し、意識啓発のための活動を推進しています。
azbilグループでは創業時の「人間の苦役からの解放」を原点として、現在の「人を中心としたオートメーション」のグループ理念に至るまで、人権をめぐるさまざまな課題につき積極的に取組んで参りました。差別、ハラスメント、児童労働・強制労働などの具体的な項目において人間尊重の考え方を行動基準に明記するとともに、以下の指針を掲げております。
『社員一人ひとりが、行動基準に定められた「人間尊重の社会行動」に基づき、国際的に認められた人権を尊重し、国際的人権義務、ならびに関連法令を遵守し行動する。』(法務省「Myじんけん宣言」で公表)
推進体制、取組み
当社では、さらなるコンプライアンス推進体制の強化を目的として、法務部門とCSR・リスク管理部との連携を強化するために「法務・リスク管理本部」を新設しました。また、azbil グループでは、下図のとおり、国内外においてコンプライアンス活動を統括・推進する担当役員およびCSR 責任者を定め、コンプライアンス推進体制を構築しています。コンプライアンスリーダー(海外:CSRリーダー(CL))は、職場へのコンプライアンスの浸透や問題の発見、コンプライアンス責任者への報告等の役割を担っています。
コンプライアンス意識の維持・向上
当社グループでは、役員・部門長が主導してグループ全体の意識向上に取り組んでおり、毎年、役員・部門長に対して外部講師による教育を実施しています(2023年は287名が受講)。また、当社では、コンプライアンス責任者/リーダーに社内講師による教育を実施するとともに(733名受講)、全社員向けに、毎年、eラーニングを実施するほか(6,401名受講)、グループディスカッション形式の研修も実施し(毎年半数ずつ実施。2023年は3,164名受講)、その時々のトピックの共有や意識向上を図っています。海外では、毎年のeラーニングのほか、CL のレベルアップを目的として「地域CL 会議」を定期的に開催しています。さらに、毎年、グループ全社員を対象にコンプライアンスの状況や意識に関する調査を実施し、意識の浸透度や課題を把握し、対策を講じています。
法的リスクの予防
azbilグループでは、グループ全体の法令遵守徹底に取り組んでいます。事業活動に関わる法令の遵守徹底を促すとともに、事業上必要な法令に関連する教育を実施し、グローバル展開の加速とともに高まる海外における法的リスクにも対応しています。また、重要法令やそれに関わる課題について、適時適切な対応と問題発生の未然防止に専門講師による教育に努めています。
腐敗行為防止の取組み
方針
azbilグループでは、azbilグループ行動基準において「公正な取引の遵守および腐敗防止」について定め、これに基づき、持続可能な社会の実現に向け、腐敗行為の防止を経営の最重要課題の一つと捉え、「azbilグループ腐敗行為防止基本方針」を制定し、「贈収賄」「過度な接待・贈答」「不当な利益の授受」「利益相反行為」「インサイダー取引」「政治・行政との不適切な関係」を含むあらゆる形態の腐敗行為の防止に取り組んでいます。本方針の制定は、アズビル株式会社の取締役会において承認・決議され、本方針に基づく活動については、執行側で適切に把握する体制を構築し、監査等を通じてアズビル株式会社の取締役会において執行状況を監督しています。本方針は、azbilグループの全役員・従業員を適用対象とするものであり、和文に加え、英文および中文も作成し、グループ全体に周知しています。また、azbilグループ行動基準および本方針は、グループの全役員・従業員がいつでも閲覧できるようazbilグループのウェブサイトやグループ内ポータルサイトに掲載しています。
体制、取組み
腐敗行為防止の取組みは、毎年、azbilグループ全体のCSR活動計画に含まれる法令遵守活動の一つとなっています。CSR活動計画は、azbilグループCSR推進会議(アズビル株式会社のCSR担当役員を総責任者とし、CSRテーマの主管部門責任者およびグループ各社のCSR担当役員をメンバーとする会議体)を通じて策定され、活動結果について、アズビル株式会社の経営会議および取締役会に報告されています。
腐敗行為防止の具体的な取組みの計画・実施にあたっては、毎年、国・地域や事業領域、トランスペアレンシー・インターナショナルが公表している腐敗認識指数(Corruption Perceptions Index, CPI)等に基づき腐敗リスクの評価を行っています。また、azbilグループ全社員を対象に毎年実施されているコンプライアンスの状況や意識に関する調査において、あらゆる腐敗行為防止の状況や課題を把握しています。これらの結果に応じて、リスクが高いと判断された国・地域の現地法人や事業領域に対し、法務部門、監査部門等による更なる状況調査や監査、腐敗行為防止の更なる強化または改善の指導、教育等の必要な対応および対策を実施しています。
新規および既存の請負業者を含むお取引先様をはじめとする全てのステークホルダーとの関係においても、腐敗行為防止のデュー・ディリジェンスの一環として、取引基本契約書等に腐敗行為防止を含む法令遵守条項を定め、その同意を促すと共に、契約期間中の遵守をお約束いただいています。また、「azbil グループ サステナブル調達ガイドライン」において、贈収賄、過度な贈答や接待、腐敗、恐喝および横領の一切の禁止、ビジネスや不適切な利益を取得するための価値あるものの授受等の禁止について定め、主要なお取引先様に対して、同ガイドラインの説明会を実施するなどして、お取引先様における腐敗行為の防止に努めています。
なお、2023年度に、腐敗行為防止方針違反による従業員への懲罰または解雇はなく、腐敗行為に関する罰金、課徴金または和解金は0円でした。
教育
azbilグループでは、グループ全社員に対して、腐敗行為防止の教育を実施しています。国内においては、全社員に対し、azbilグループ行動基準に関するeラーニングや読み合わせを実施しているほか、毎年実施している法令遵守教育において、贈収賄防止を中心に包括的な腐敗行為防止についての教育を実施し、腐敗防止に関する理解の促進を図っています。また、新たな海外赴任者に対し、赴任前に、赴任国の腐敗行為防止関連法令の概要を含む、腐敗行為防止についての教育も実施しています。
海外現地法人に対しては、全社員に対して毎年実施しているコンプライアンス教育において、贈収賄を中心とした腐敗行為防止を取り上げると共に、定期的に開催している「地域CL(コンプライアンスリーダー)会議」において、必要に応じて、腐敗行為防止についての教育およびディスカッションを実施しています。さらに、前述のリスク評価の結果、腐敗のリスクが高いと思われる国・地域、腐敗行為防止に関する法令等に動きがあった国・地域の現地法人に対し、贈収賄等の状況確認の調査や、腐敗行為防止に関する教育を実施しています。