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生物多様性への取組み

「経団連生物多様性宣言・行動指針」に賛同し、「人を中心したオートメーション」の企業理念に基づき、持続可能な社会の実現へ向け、SDGsを新たな道標として、サステナビリティ経営をグローバルに展開していきます。 自然共生社会の実現に向けての具体的な取組方針として、ネイチャーポジティブの視点を持ち、事業を通じた生物多様性保全への貢献を継続し、取引先を含めたサプライチェーンでの取組みを推進するとともに、様々なパートナーシップとの協働を通じた自然環境保全活動の取組みを強化していきます。

自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)への対応

azbilグループでは、自然資本や生物多様性に対する影響・依存や事業上のリスク・機会を適切に把握するためTNFD 提言にそったネイチャーポジティブの取組みを推進していきます。
本格的な分析の実施に先立ち、分析ツールであるENCOREを用いて、潜在的な自然への影響・依存を定性的に評価しました。今回の評価では、全事業の上流および直接操業の各工程が自然資本に与える影響と自然資本への依存を分析しました。その結果、事業の特性上、土壌や生物等の自然資本を直接的に事業のインプットとしていないため、自然への依存は限定的である一方で、製品の原料となる鉱物等の採掘にかかる土地改変(陸域)、直接採取(水資源)や部品・製品輸送のGHG 排出による気候変動に関わる自然への影響度合いが高いことが確認されました。
今後も、計測・制御技術を活用し、ネイチャーポジティブに向けた事業の創出に取り組むとともに、お取引先様を含めたサプライチェーンでの取組みを推進していきます。
なお、2024年8月 TNFD Adoptersとして登録し、2025年度の取組み成果について開示提言にそって報告することを宣言しました。

※ ENCORE Partners (Global Canopy, UNEP FI, and UNEP-WCMC) (2024). ENCORE: Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure. On-line, June 2024, Cambridge, UK: the ENCORE Partners. Available at: https://encorenature.org

事業を通じた環境課題解決【生物多様性保全への貢献の事例】

海洋における生態系保全に貢献

大型船舶を対象とするバラスト水管理条約により義務付けられたバラスト水処理装置へ、船舶事業で培った知見やノウハウ、船舶の認証に適合した製品などを活用したソリューションを提供しています。

※大型船舶が空荷の時に船体を安定させるために、船底へ積み込む海水のこと。バラスト水には動植物プランクトン、海藻の断片などの海洋生物が含まれ、これらが放出時に一緒に放出されるため、外来種移動の原因の一つと言われている。

例:バラスト水の運用

お取引先様に対する生物多様性への取組み展開 【サプライチェーンへの取組みを推進】

azbilグループ 「生物多様性保全への取組み」に関するお願いを取引先様に配布し、生物多様性保全に対する考え方、事業活動と生物多様性との関わり、取組み事例などの解説文書を展開しています。

生物多様性保全への配慮(グリーン調達)

自然環境保全活動 【地域の特色を活かした国内外の関係組織との連携】

NPOや、大学、地方自治体などと連携・協力しながら、神奈川県藤沢市、福島県南会津町といったazbilグループが拠点を置く身近な地域や、アズビル京都株式会社等の事業所の敷地での自然環境保全活動に取り組んでいます。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から現地活動を見合わせていましたが、2023年度は現地活動を6回実施し、90名の社員が参加しました。

南会津町での「ひめさゆり」保全活動

福島県南会津町とは2011年7月に環境保全活動に関する協定を結び、定期的に活動しています。
南会津町は福島県の南西部に位置しており、環境省がまとめたレッドリストで準絶滅危惧種に指定されている「ひめさゆり」が群生する地としても有名なことから、その「ひめさゆり」の保全活動を実施しています。2018年10月の活動では、azbilグループの社員とその家族が、南郷スキー場で地元の方々の指導を受けながら、下草刈りや種まきなどを行いました。
花を咲かすまで6年以上かかるとされていますが、種まきの場所での開花を確認しています。
2016年2月、この活動が、公益財団法人日本自然保護協議会から「日本自然保護大賞 入選」として表彰されました。

種まきの様子

種まきの様子

ひめさゆり

ひめさゆり

藤沢市での緑地保全活動

azbilグループ最大の拠点、藤沢テクノセンターがある藤沢市とは、2011年1月に緑地保全活動に関する協定を結び、定期的に市内の緑地で活動しています。
藤沢市では「放置された緑地が多い」という課題がありました。そこで、NPO法人藤沢グリーンスタッフの会の指導を受けながら、緑地の持続可能な利用を実現するための活動を続けています。
これまでの活動で、薄暗かった緑地へ陽光が差すようになり、そこから新たな草木が生えてきて、緑地の変化を実感しています。

活動の様子

活動の様子

アズビル京都株式会社での取組み

1996年に操業を開始したアズビル京都は、山林の一部を自治体が造成した場所に工場を建設しました。操業後時間が経過し、斜面には、周りの山林と同様、木々が育ち始めています。
認定NPO法人アースウォッチ・ジャパン、京都大学 フィールド科学教育研究センター、特定非営利活動法人 国際斜面災害研究機構、京都大学農学部などの学生とともに、2013年度から春と秋に、社員やその家族が参加して、木々の調査や整備に取組んできました。データを基に参加者で話し合いながら、植樹や間伐を実施しています。2024年からは横浜国立大学に調査協力をいただいています。

アズビル京都 樹木の調査の様子

アズビル京都 樹木の調査の様子

アズビル京都 間伐の様子

アズビル京都 間伐の様子