2017年度の取組み
2017年度の実績
2017年度のazbilグループの拠点におけるCO2排出(スコープ1、2)は、2006年度(2007年3月期)比で43%減、原単位で49%改善しました。
自社の事業活動に伴うCO2排出量に加え、サプライチェーンも対象とした企業活動全体におけるCO2排出量(スコープ3)を把握し、環境配慮設計などを通じた排出削減に努めています。
温室効果ガス排出量検証報告書
PDFでご覧いただけます
azbilグループの拠点におけるCO2排出データ
(単位:トンCO2)
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | |
---|---|---|---|
スコープ1 | 5,555 | 5,268 | 4,735 |
スコープ2 | 15,095 | 14,974 | 14,875 |
スコープ1 & 2 | 20,650 | 20,242 | 19,610 |
2017年度の取組み
藤沢テクノセンターでの取組み
研究開発拠点である藤沢テクノセンターでは、エネルギーマネジメントソリューションの実験サイト、及び省エネモデル事業所として様々な実証実験を行い、お客様の現場における環境負荷削減の貢献へとつなげています。また、それらの取組みで得られた技術、ノウハウも広く公開しています。
物理量の制御から、心理量の制御へ~在室者の気持ちを理解する空調制御の実証実験~
多くの建物で、在室者が設定した極端な温度が無駄なエネルギーの消費につながっています。
そこで、在室者が温度を設定する代わりに、「暑い」「寒い」という気持ちをシステムにリクエストする「温冷感リクエスト空調(仮称)」を考案しました。新たに開発した「温冷感リクエストカード」による、在室者の「暑い」「寒い」といったリクエストにシステムが即時対応しつつ、ほかの人が不快に思うような環境が継続しないように、室内環境を適切に制御します。
現在、本システムを藤沢テクノセンターの第100建物に導入し、室内空間の快適性と省エネルギー性を評価しています。在室者のリクエスト履歴の解析やアンケート結果を取り込みながら、お客様の現場での省エネと生産性向上に貢献するサービスとして、実用化を目指しています。
実証実験の詳細については、技術報告書「azbil Technical Review」(2018年4月発行号)(4,320KB)をご覧ください。
再生可能エネルギー導入拡大に向けた取組み~バーチャルパワープラント構築実証事業~
気候変動の緩和策などにおける再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、分散型のエネルギーリソースを融合し仮想的に発電所として機能するバーチャルパワープラント(以下、VPP)が注目されています。
VPPでのディマンドリスポンス※1(以下、DR)によるエネルギー需給バランスの調整には、高度なエネルギーマネジメント技術が必要です。アズビル株式会社は、2016年度より、バーチャルパワープラント構築実証事業(経済産業省)に採用され、藤沢テクノセンターにおいて、自動制御でDRに対応するAutoDR™の実証に取り組んでいます。太陽光発電設備と蓄電設備を、設備機器を監視・制御しているsavic-net™FXと通信させることで、リアルタイムでの運転状況の把握及び最適運転を検証しています。東京電力管内において2018年1~2月に発動されたエネルギー需要抑制(調整力電源Ⅰ′※2)に対し、AutoDRを稼働することで電力を抑制することができました。
自らの節電・省エネのみならず、需要家の建物も含めた最適な運用方法、及び制御方法を検証することで、自社の枠を超えた社会全体における省エネへの貢献を目指しています。
※1: 需要家側エネルギーリソースの保有者、もしくはアズビルなどの事業者が需要家の代わりに需要家側エネルギーリソースを制御することで、電力需要パターンを変化させること。
※2: 10年に1回程度の厳気象(猛暑及び厳寒)等の需給ひっ迫時での、需給バランス調整を目的としたエネルギー需要抑制のこと。
太陽光発電設備
「見える化」による省エネの次の一歩へ。さらなる運用改善による、持続的な取組み推進
azbilグループの国内・海外主要拠点において、自社のエネルギーマネジメントソリューション「ENEOPT™」によるリアルタイムでのエネルギーの「見える化」による管理体制の構築と省エネの実践を進めてきましたが、長年の取組みゆえに、新たな運用改善の施策創出が難しいといった声がありました。
そこで、各拠点での「見える化」による活動からさらに一歩踏み込み、省エネ担当、全社環境推進担当、事業部門の省エネエキスパート、製品技術開発担当が連携して課題解決に取り組む、持続的な省エネの実現に向けたグループを横断するプロジェクトを推進しています。効果のある施策の共有化に加え、「見える化」により蓄積されたデータの運用・分析や、熱量・電力量予測モデルへと活用することで、各工場の課題に応じた熱源運転改善ガイダンスシステムの構築へとつながり、目標値を上回る成果を上げています。
自社のユーティリティの運用改善や課題解決を通じて得られた知見を活かした、中小規模の工場や建物向けの商品を通じて、お客様や社会での環境負荷低減へと貢献していきます。
熱源運転改善ガイダンス
省エネプロジェクトの様子
これまでの取組み
本業を通じた地球環境への貢献
自らの事業活動におけるCO2削減環境負荷低減に取り組むだけでなく、お客さまの環境負荷低減を支援する製品・サービス・ソリューションの提供を通じて社会に貢献しています。
詳しくは、「環境負荷低減への思いと本業を通じた実践」をご覧下さい。
- 環境取組みの全体像
- 本業を通じた地球環境への貢献
- 自らの事業活動における環境負荷低減