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水資源への取組み

水リスクへの対応

水資源は、事業で必須な商品、各種半導体センサを含む部材を自社生産する際に、洗浄工程などで必須な資源であるだけでなく、事業所における飲料水など従業員にとっても重要な資源です。また、製造工程で大量の水資源が必須な半導体は、自社商品の重要部品として多種類調達しており、取引先を含むサプライチェーン全体においても水は重要な資源です。水道メーター事業に関わるグループ会社もあり、事業での関りも深いです。また、建物市場やプラントを含む工場市場などazbilグループの顧客企業でも水は必須な資源であり、地域社会含めあらゆるステークホルダーで水資源と関りがあります。

azbilグループは、理念に地球環境への貢献を掲げています。azbilグループ各社の諸規程の最上位に位置づけられているazbilグループ規程として、azbilグループ環境基本方針、azbilグループ環境取組み規程が制定され、環境の取組みの重要性がazbilグループとして認識されています。水資源に対しても重要性が認識され、azbilグループ環境取組み規程には、地球規模での水の汚染防止に務めるための環境法規制遵守、水資源の使用量把握と低減が記載され、azbilグループとして水資源の把握と削減が重要な取組みとなっており、これらの取組みは地域社会含めあらゆるステークホルダーの水衛生への貢献につながっています。また、azbilグループ環境基本方針に記載のように、多様なステークホルダーと連携し、当社グループやサプライチェーンだけでなく、業界団体やイニシアチブなどの外部団体と協働*1し、より広い範囲に活動を拡大して、水関連の課題解決に取り組みます。

azbil グループでは、グループの拠点における水使用量の把握と使用削減、並びに排水の水質管理に取り組むとともに、事業継続などの観点から、WRI Aqueduct*2を活用して拠点ごとの水リスク評価も実施しています。リスク評価の結果を踏まえ、全体の水使用量の2 割程度に相当する、中国(大連)とタイの拠点で水リスクがあることを認識しています。

*1.下記、協働の事例
・一般社団法人水道情報活用システム標準仕様研究会における協働
データプラットフォームを利用するための標準仕様を水道情報活用システム標準仕様研究会が策定しました。
アズビルは同研究会にベンダーとして参画しました。
https://www.azbil.com/jp/news/231109.html
・さいたま版スマートメーター実証プロジェクト参画における協働
同じ地域で事業を展開するアズビル金門株式会社、さいたま市水道局、一般財団法人埼玉水道サービス公社で、さいたま版スマートメーター実証プロジェクトに関する基本協定を締結しました。
さいたま市は、電子メーターと無線機を組み合わせ、通信回線を通じて使用水量等の情報を提供するスマートメーターを活用したサービスの向上と、水道スマートメーターを本格的に導入する場合の効果を検証するため実証実験を行います。
スマートメーター検針を通じた、使用水量の可視化と、その先にあるサービスとして目標値の管理(水使用量の削減・節約の補助機能)等を目指しています。
https://ak.azbil.com/asset/document/news/news_20230830.pdf
*2.世界資源研究所(WRI:World Resources Institute)が提供する、世界の各地域における水リスクの状況を網羅的に示したマップ

水リスク取組み体制

アズビル株式会社は、水使用量を前年以下に削減するという目標が設定され、毎月環境統括者会議または環境統括者会議の下部組織である環境管理責任者会議において、azbilグループ環境負荷改革担当役員に対し管理状況が報告されています。azbilグループ各社は各社の環境マネジメント体制の下で目標が設定され、年に3回のグローバルなazbilグループ環境委員会において、azbilグループ環境負荷改革担当役員に対し管理状況が報告されています。

azbilグループ環境負荷改革担当役員は、これらの結果をCSR推進会議またはアズビル経営会議に重要性の大きさに応じた報告がなされ、更に重要性の判断のもと取締役会議へ報告という体制が取られています。

水リスクの高い拠点と水使用量

azbilグループでは、WRI Aqueductを使用して拠点の各種水リスクを評価しております。WRI Aqueductの「総合水リスク(Overall Water risk)が High 以上」の生産拠点を水リスクが高い拠点としております。

また、「ベースライン水ストレス(Baseline Water Stress)が 80% 以上」、もしくは「ベースライン水の枯渇(Baseline Water Depletion)が 50% 以上」の生産拠点を水ストレス地域としております。これらに該当する拠点は下記となります。

  • 水リスクが高い拠点    :アズビルプロダクションタイランド株式会社、アズビル機器(大連)有限公司
  • 水ストレス地域に該当する拠点:アズビルプロダクションタイランド株式会社、アズビル機器(大連)有限公司

年度始めに水使用量の月別計画を作成し、毎月の水使用量を進捗管理するとともに、年間3回開催されるaG環境委員会にて報告しております。

azbilグループ 水リスクが高い拠点の水使用量(総取水量)

水ストレス
地域
水使用量(総取水量)[千m³]
2020
年度
2021
年度
2022
年度
2023
年度
アズビルプロダクション タイランド株式会社(タイ) 該当 8.34 8.45 9.50 10.64
アズビル機器(大連) 有限公司(中国) 該当 10.77 13.37 13.98 14.59

外部評価結果

水リスクへの対応と水使用量の削減に関するazbil グループの取組み状況は、CDP Water 2023*1において「A-」評価を獲得しています。

*1.国際的な非営利団体CDPによる、企業の水リスクに関する情報公開プログラム。対象企業の水に関する取組み状況などを毎年調査し、集計結果を公表するほか、各企業の取り組み状況を個別に評価する(Aを最高とする8段階評価)

CDP Water 2023 回答
CDP Water 2022 回答
CDP Water 2021 回答

水使用削減へ向けた取組み

azbilグループでは、国内10サイト、海外2サイトの計12サイトで、水管理計画を策定し、水の削減と有効活用に取り組んでいます。
azbilグループ全体での水使用削減に向けては、自動水栓や節水バルブの使用、流量校正時の再利用*など各種の節水対策を行っています。水使用量を前年度実績以下にするなどの目標に対し、前年度比4%減(2022年度実績:129.37千㎥)となりました。生産プロセス改善による効率的な水使用、環境会議体における水使用量の定期的な進捗確認を行い、水使用量を削減したことによるものです。2023年度の雨水利用は3.24千㎥となりました。

*アズビル京都株式会社では、流量計の実流校正工程で大量の水を使用しますが、水資源の有効活用のために、校正に使用した水を循環させ、再利用(リサイクル)しています。

azbilグループ全体 水使用の状況(総取水量、総排水量)

(単位:千m³)

2021年度 2022年度 2023年度
取水量 淡水の地表水(雨水、湿地帯の水、河川、湖水を含む) 2.47 2.79 3.24
汽水の地表水/海水 0.00 0.00 0.00
地下水 - 再生可能 0.00 0.00 0.00
地下水 - 非再生可能 0.00 0.00 0.00
随伴水/混入水 0.00 0.00 0.00
第三者の水源 107.73 129.37 124.24
合計 110.20 132.16 127.48
排水量 淡水の地表水 36.62 40.02 33.52
汽水の地表水/海水 0.00 0.00 0.00
地下水 0.00 0.00 0.00
第三者の放流先 73.46 92.14 93.96
合計 110.08 132.16 127.48

範囲:アズビル株式会社、国内連結子会社及び海外主要生産拠点(アズビルプロダクションタイランド株式会社、アズビル機器(大連)有限公司、アズビルテルスター有限会社(2022年度追加))
(2021年度CO2排出量実績ベースでグループ全体の88%に該当)

水質の管理

水質汚濁防止法等の適用を受ける施設を設置する拠点において、主要な水質管理項目についての分析・測定を行い、基準値を超過しないよう管理しています。

水質管理項目一覧

事業所名 大項目 小項目 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
藤沢テクノセンター 厨房排水 BOD 57mg/l 110mg/l 170mg/l 63mg/l
SS 160mg/l 120mg/l 340mg/l 150mg/l
n-Hex(動植物油) 3mg/l 6mg/l 2mg/l 12mg/l
工程排水 pH 7.7 6.0 8.3 8.2
BOD 7mg/l 10mg/l 6mg/l 7mg/l
COD 2mg/l 3mg/l 3mg/l 3mg/l
SS 1mg/l 4mg/l 2mg/l 4mg/l
n-Hex(鉱油) 1mg/l未満 1mg/l未満 1mg/l未満 1mg/l未満
湘南工場 厨房・生活排水 BOD 3.6mg/l 140mg/l 260mg/l 220mg/l
SS 40mg/l 110mg/l 330mg/l 160mg/l
n-Hex(動植物油) 3.2mg/l 20mg/l 3.6mg/l 1.5mg/l
秦野事業所 生活排水 pH 7.5 8.0 8.4 7.7
BOD 13mg/l 20mg/l 92mg/l 25mg/l
SS 28mg/l 27mg/l 60mg/l 28mg/l
n-Hex(動植物油) 1mg/l未満 1mg/l未満 5mg/l 2mg/l
n-Hex(鉱油) 1mg/l未満 1mg/l未満 1mg/l未満 1mg/l未満
アズビル京都 合併浄化槽 pH 6.8 7.0 6.8 6.9
BOD 3.1mg/l 3.3mg/l 5.5mg/l 3.0mg/l
COD 8.9mg/l 14.0mg/l 15.0mg/l 12.0mg/l
SS 0.8mg/l 3.0mg/l 3.0mg/l ND(検出限界未満)