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健康管理の取組み

健康管理

1. azbilグループ健幸宣言

社員が健康で活き活きと仕事に取り組んでいけるようにする総合的な取り組みを「健幸経営」と定義し、総労働時間の削減、ハラスメント防止、ダイバーシティー推進、労働安全と心身の健康増進、働きがいや組織活力の向上などに取り組んでいます。2019年7月には「azbilグループ健幸宣言」として、労使が協働して快適で働きやすい職場環境づくり、心身の健康づくりに取り組むことを宣言しました。

また、2023年にはazbilグループ安全衛生基本方針を改訂し、「健幸で快適な職場づくり:私たちは、心身の健康づくりと、安心・安全・快適で、活き活きとした、働きやすい職場環境づくりに取り組みます。」という文言を新たに追加し、労働安全衛生活動を展開しています。

azbilグループ健幸宣言

健康で幸せ、活き活きとした「働きの場と人」を創る

社員ひとりひとりの健康が企業活動の重要な基盤であるととらえ 、会社で働くすべての人々が安心・安全で、快適に、活き活きと、自分らしく健やかに働き、それぞれが持つ多様な能力を発揮し、公私ともに充実した人生を送ることが、生産性や業績の向上、イノベーション、社会への貢献につながると考えています。

健幸な「働きの場と人」を創るために、会社とそこで働く社員が協働し、快適で働きやすい職場環境づくり、心身の健康づくりに積極的に取り組むことを宣言します。

2. 安全衛生管理体制・健幸経営推進体制

【安全衛生管理体制】

azbilグループの安全衛生管理体制は、代表執行役社長から任命されたazbilグループ総括安全衛生管理者が責任者となり、各事業所の安全衛生委員会がそれぞれの活動を展開しています。半期に1度、経営陣、労組の代表、事業所長、本部長、安全衛生主管部門、統括産業医がメンバーとなるazbilグループ中央安全衛生委員会を開催し、安全衛生施策の方針決定や進捗状況を確認しています。

また、各拠点やグループ会社の活動計画や活動状況の内部監査も定期的に実施しています。労働安全についてはグループ安全管理部が、労働衛生については人事部が主幹となり、各事業所の担当者が参加する安全専門部会、衛生専門部会を開催し、それぞれ方針の審議や進捗管理を行っています。

安全衛生管理体制図は「安全衛生マネジメント推進体制」 のページをご覧ください。

【健幸経営推進体制(心身の健康づくり対策)】

アズビルでは「健幸経営」の推進にあたって、代表執行役社長から任命されたazbilグループ総括安全衛生管理者が責任者となり、人事部がその主幹部署として、総労働時間の削減、ハラスメント防止、ダイバーシティー推進、心身の健康づくり、働きやすい職場環境づくりなど、各種の取り組みを進めています。

健幸経営のうち、特に、心身の健康づくりについては、人事部健幸推進グループが中心となって、衛生専門部会、医療職会議、azbilグループ健康保険組合、労働組合等と連携しながら推進しています(下図)。
衛生専門部会には主要事業所の衛生担当部署のマネジャーが参加しており、健康づくりの全社的な対策について年6回議論しています。また、医療職会議には、常勤産業医・常勤産業看護職が参加しており、毎月、各事業所の課題の共有や健康管理についての取り組みについて話し合っています。

azbilグループ健康保険組合とも毎月ミーティングを行い、共同で実施している対策について議論をしています。労働組合とは、年1~2回、全社的な健康づくりの方針や計画、また具体的な取り組みの内容や活動結果について情報共有を行い、社員のニーズなどについて意見交換を行っています。
各事業所の安全衛生委員会や衛生管理者、産業保健スタッフとも連携し、年間計画や目標の策定や展開、各種の取り組みについての情報共有などを適宜実施しているほか、各事業所の衛生管理者・産業保健スタッフと年に1度、意見交換会を開催し、健幸経営の方針や施策を共有しています。

健康づくり・労働衛生管理の全社的な方針や計画については、衛生専門部会の審議を経てazbilグループ中央安全衛生委員会で審議・承認されます。また、健幸経営の推進状況については経営会議にて報告しています。


健幸経営推進体制図(健康健康づくり対策)


3. 健康管理に関する中期計画・年度計画・KPI・SDGs目標・戦略マップ・健康白書

健康管理に関しては、azbilグループ中央安全衛生委員会が、azbilグループの健康づくり方針を策定し、それに基づいて健康づくりの中期計画・年度計画を策定して取り組んでいます。また、SDGs目標に「働きがい・満足度」に関するものを掲げ、毎年実施している社員満足度調査を通じて、「azbilグループで働くことに満足している社員の比率を2030年度までに65%以上とする」という定量目標を定めています。

健康管理に関連する中期目標として、その年度内に新たにメンタルヘルス不調で休業した人の数の減少、糖尿病と高血圧の重症者数の減少、乳がん検診(40歳以上)と子宮頸がん検診(全年齢)の受診率の向上を掲げています。メンタルヘルス不調による休業者は2021年度から上昇傾向にあります。また、高血圧・糖尿病の重症者の割合は2019年度からの施策の効果もあってやや減少しています。乳がん検診と子宮頸がん検診の受診率は2021年度以降、大きく改善してきました。それぞれの取組みについては後述します。

アズビルの健康づくりの中期目標の一例(抜粋)

中期目標(2020~2023年度)
2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
メンタルヘルス不調による
長期休業数を年間30人以下まで
減少させる
44人 38人 41人 60人 56人 62人
高血圧・糖尿病の重症者の割合を
2.0%以下に減少させる
- 4.5% 4.5% 4.1% 3.8% 4.0%
40歳以上対する乳がん検診の
受診率を80%以上とする
68% 69% 65% 75% 79% 81%
子宮頸がん検診の受診率を
80%以上とする
65% 63% 61% 66% 70% 71%

また、2022年度より、健幸経営で解決した経営課題と実際の取り組みとのつながりを可視化する戦略マップを作成しています。2022年度は、「労働生産性の向上」「離職の低減」「社員満足度・働きがいの向上」の3つの経営課題に関連する健康上の課題の抽出や、対策の立案を主に行いました。その結果を踏まえて、2023年度からは「糖尿病・高血圧の重症者対策」、「メンタルヘルス不調による休業者の予防」、「女性の健康課題に関する取り組み」に、特に注力した健康管理対策を実施していきます。

その他、アズビルでは、プレゼンティーズム、アブセンティーズム、ワーク・エンゲイジメント、社員のヘルスリテラシー、健康診断の結果から肥満リスク者の割合などを定期的に調査し、健康づくり施策の評価や立案の参考にしています。

アズビルのその他の健康指標:

2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年度
プレゼンティーズム
(東大1項目版の測定結果)
- 86.4% 86.0% 85.0% -
ワーク・エンゲイジメント
(新職業性簡易ストレス調査票の設問2つ)
- - - 2.5点 2.5点
ヘルスリテラシー:高リテラシー群
(CCHL尺度)
- - - 64% 65%
肥満リスク者の割合 43% 42% 41% 41% -

※ プレゼンティーズム調査はストレスチェックとあわせて実施。2023年度は 測定人数6,177人に調査を行い5,921人から回答を得た(回答率96%)
※ ワーク・エンゲイジメントとヘルスリテラシーはアンケートにて調査。2024年度は社員から無作為に抽出した500人に調査を実施し392人から回答を得た(回答率78 %)。ワーク・エンゲイジメントの測定には新職業性簡易ストレス調査票の2問を用いており、各質問の得点(1~4点)の平均点をワーク・エンゲイジメントの指標として集計している。ヘルスリテラシーの測定にはCCHL尺度(Communicative and Critical Healthy Literacy尺度)を用いており、5つの設問(1~5点)の中央値が4点以上を高リテラシー群と評価し、回答者のうち高リテラシー群の割合(%)を集計している。
※ 肥満リスク者とは、定期健康診断の受診者のうちBMI25以上、もしくは腹囲 男性85cm以上、女性90cm以上の該当者の割合。

 (1) 体の健康づくりの戦略マップ

 (2) こころの健康づくりの戦略マップ

健康白書の作成と活用

アズビルでは、社員の健康を守ることを企業の重要な使命と考え、データに基づいた健康経営を推進しています。その取り組みの一環として、2017年度より、健康診断結果、がん検診の受診状況、ストレスチェックの結果、長期休業の状況、社員満足度の結果、その年の健康づくり活動の内容とその結果を集計・分析した、「健康白書」を毎年作成しています。

健康白書は、その年に実施した社員の健康づくりの取り組み内容や、その成果をまとめたものであり、社員の健康課題や取り組みの状況を可視化・総括することで、全社的な健康経営の計画づくりや評価、経営層による戦略的な意思決定の基礎資料、健保と連携したコラボヘルスの取り組みの資料として使用しています。また、それぞれの事業所ごとのデータも集計しており、各事業所の健康づくりの取り組みの計画や評価にも活用しています。

さらに、健康白書はイントラネット上に公開され、各事業所の担当者や労組の担当者をはじめ、社員全員が自由に参照できるようになっています。これにより、社員が社内の健康への取り組みを把握し、健康意識を高める一助となっています。

病気やケガによる長期休業の状況(アブセンティーズム)

疾病等による長期休業による労働損失の状況です。社内の長期休業制度を利用した社員の数を、それぞれの疾患の種類ごとに集計しています。

休業日数の合計としては、2020年度が17,450日、2021年度が23,766日、2022年度が26,608日、2023年度が24,269日でした(前年度から継続して休業している事例も含めて集計)。休業者の人数としては、2020年度が130人、2021年度が222人、2022年度は331人、2023年度は168人でした(前年度からの継続者は含めず、当該年度内に新たに休業した人数のみ。同じ病名で繰り返し休業した場合も1人とカウント)。2022年度の休業者数の増加は新型コロナウイルス感染症による休業の影響を反映しています。新型コロナウイルス感染症を除くと、例年、日数・人数ともにメンタルヘルス不調による休業者もが最も多く、続いて、がん、筋骨格系疾患の順となっています。

からだの健康管理の取組み

4. 健康診断・がん検診

法定の一般定期健康診断の項目に、胃部レントゲン検査、便潜血検査、乳房X線検査、乳房エコー検査、子宮頸部細胞診検査などのがん検診の項目を任意項目として追加して受診を促しています。定期健康診断の受診率はほぼ100%で、各種がん検診の受診率、定期健診・がん検診後の再検査・精密検査の受診率は下表のとおりです。

また、2018年度には胃がんリスクを調べるABC健診を実施し、97%の社員が検査を受けました。2018年度以降に入社した社員についてはABC健診の自己採血キットを配布して検査を継続しています。さらに、2023年度は、肝炎・肝臓がん対策として、B型肝炎ウイルス検査・C型肝炎ウイルス検査を一般定期健康診断とあわせて実施します。

5. 女性の健康課題への対応

アズビルでは、定期健康診断に、胃がん・肺がん・大腸がん・乳がん・子宮頸がんの検診項目を追加して実施しています。しかし、乳がん検診と子宮頸がん検診の受診率は、他のがん検診(受診率90%前後)と比較して相対的に低く、60%台にとどまっていました。この状況を踏まえ、azbilグループ中央安全衛生委員会では、乳がん検診と子宮頸がん検診の受診率向上を2020年度の全社健康づくりの重点施策(衛生目標)に掲げ、2023年度までに受診率を80%以上に引き上げることを目標としました。

2020年度には、常勤医療職を中心に状況分析や社員アンケート調査を行った結果、年代別・事業所別の受診率を調査しました。その結果、定期健診と同時に乳がん検診・子宮頸がん検診を受けられる事業所では受診率が高く、逆に、定期健診とは別に外部医療機関での予約が必要な事業所では受診率が低いことが明らかになりました。

この課題に対応するため、2021年度から2022年度にかけて、定期健診と同時にがん検診を受けられる環境を整備し、受診の重要性を全体に啓発しました。その結果、乳がん検診と子宮頸がん検診の受診率は2021年以降、それぞれ約10%改善しました。2023年度には、乳がん検診(40歳以上)の受診率が81%、子宮頸がん検診(全年齢)が71%に達しました。しかし、20~30代の子宮頸がん検診の受診率は依然として低いままであるため、今後、この年代に向けた教育や啓発活動を強化していく予定です。

また、女性特有の健康問題への対策として、専門の相談窓口を2023年度にトライアル実施し、2024年度からは常設しています。2024年度は、全管理職・全社員を対象に、女性特有の健康問題についての健康教育を実施する予定です。

一般定期健康診断の受診率

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
一般定期健康診断 100% 98.3% 99.9% 99.9% 99.9% 100%

各種がん検診の受診率(健康診断受診者に対する割合)

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
肺がん検診(全年齢) 99% 100% 100% 100% 99% 100%
胃部レントゲン(50歳以上) - 72% - 71% - 69%
ABC検診(全年齢) 97% - - - - -
大腸がん検診(40歳以上) 95% 93% 92% 93% 92% 93%
乳がん検診(40歳以上) 68% 69% 65% 75% 79% 81%
子宮頸がん検診(全年齢) 65% 63% 61% 66% 70% 71%

※ABC検診については2018年度に在職者を対象に実施し、それ以降は新入社員・中途入社社員を対象に実施しています。

健康診断の結果の再検査・精密検査の受診率

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
定期健康診断・がん検診の再検査
・精密検査の受診率
- - - - 55% 68%

6. プレゼンティーズム対策

プレゼンティーズムとは、社員が出勤しているものの、体調不良や自覚症状によって生産性が低下している状態を指します。アズビルでは、2021年度から東大1項目版を用いてプレゼンティーズムの測定を開始しました。その結果、平均85%前後を推移しており、プレゼンティーズムは15%程度に抑えられているものの、さらなる改善が求められています。

2023年度、アズビルはプレゼンティーズム対策の一環として、プレゼンティーズムの原因となる自覚症状について社員に調査を実施しました。調査結果から、疲労感・倦怠感、眼精疲労、眠気、不安やイライラ、首や肩のこり、花粉症などのアレルギー性鼻炎、頭痛、腰痛、月経に伴う症状が主な原因であることが明らかになりました。

社員から特に対策を求める声が多かったのは、PC作業やデスクワークによる疲労症状でした。これに対応するため、アズビルでは2024年度から、疲労症状を予防するための具体的な対策を実施する予定です。これらの対策を通じて、プレゼンティーズムのさらなる改善を図り、社員がより健康的で生産的に働ける環境づくりを進めていきます。

プレゼンティーズムの原因となる自覚症状の調査(2023年度)

7. 職場復帰支援・治療と就労の両立支援

アズビルでは、病気やケガによる長期休業者や、がん治療を行いながら就業を続けている社員に対して、定期的に産業医との面談を実施し、治療や復職、就業に関する不安を軽減する取り組みを行っています。また、円滑な職場復帰や治療と就労の支援のために、各職場にて必要な業務調整を行う体制を整備しています。

しかし、従来の復職支援プログラムにはいくつかの課題がありました。具体的には、休業中の会社との連絡や産業医面談の頻度が少なく、復職可能の診断書が提出された後に復職準備が始まるため、十分な準備ができていないケースが多くありました。また、復職可否の判断基準が明確でなく、主治医の診断書をもとに判断するケースが多かったため、復職のタイミングが早すぎて復職後に再発するケースも見られました。復職後の業務調整の内容が事前に十分に計画されておらず、職場が対応に苦慮することもありました。

これらの課題を解決するため、人事部では、社内の産業保健体制の整備とあわせて、2019年度に復職支援プログラムの見直しを行い、2020年度から新しい復職支援プログラムを導入しました。この新しいプログラムでは以下の施策が導入されました:

1. 休業中から復職後まで、毎月1回の産業医面談を実施すること。
2. 復職の可否を「出社を模した外出が2週間以上できているかどうか」を生活記録表で確認するという
全社共通の基準で判断すること。
3. 復職後6か月間の業務計画を文書(復職支援プラン)として作成すること。

さらに、社員向けに職場復帰支援や、治療と両立支援に関する資料を作成し、社内制度の周知を図るとともに、病気やケガをしても安心して働ける職場環境づくりを進めています。

これらの取り組みの結果、新しい復職支援プログラムの導入後、復職1年後の就業継続率は従来の66%から89%にまで改善し、復職1年以内の再休業率は34%から11%に減少しました。今後も、産業保健体制の整備や、社員や管理職への情報提供や教育、社内の担当者への教育訓練などを継続し、復職支援プログラムを改善しながら、全ての社員が安心して働ける環境づくりに取り組んでいきます。

がん治療と就労の両立支援に関する社員向けの説明資料(抜粋)

8. 生活習慣病対策(重症者対策)

アズビルでは、社員の健康を守るため、健康診断結果に基づく、産業医や産業看護職による保健指導や受診勧奨、業務調整などを行ってきました。しかし、社員の高齢化により生活習慣病の進行リスクが高まる中、特に高血圧や糖尿病の重症化が課題となっていました。そこで、2019年度より、健康診断結果を基に、収縮期血圧が160mmHg以上、拡張期血圧が100mmHg以上、HbA1cが7.5%以上の社員を「高血圧・糖尿病の重症者」と定義し、夜勤、残業、運転業務の禁止などの就業制限を一律に行うことをルール化しました。この施策は、病気の悪化や事故を防ぎ、社員が適切な治療を受けるための動機付けを目的としています。

2020年度以降、就業制限の標準的な運用によって労災や災害発生のリスク低減を目指しましたが、現時点では、重症者の減少には至っていません。2023年度の健康診断結果の分析によると、高血圧重症者は147名(2.5%)、糖尿病重症者は89名(1.5%)で、大きな改善は見られませんでした。また、高血圧重症者の75%が未治療であり、糖尿病重症者でも治療中で十分な改善が見られない状況が続いています。

このような状況を踏まえ、2023年度からは就業制限に加え、産業医による受診勧奨や治療状況の確認を強化する施策を一部の事業所で試験的に導入しました。2024年度からは、この取り組みを全事業所に拡大し、社員の健康リスクのさらなる低減を目指しています。

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
高血圧の重症に該当 2.5% 2.8% 3.1% 2.7% 3.8% 2.5%
糖尿病の重症に該当 - 1.7% 1.6% 1.5% 1.5% 1.5%
上記のいずれかに該当 - 4.5% 4.5% 4.1% 3.8% 4.0%

9. 健康づくりプログラム・ウォーキングイベント

azbilグループ健康保険組合と連携し、全国どこからでもスマートホンやPCなどで利用できる健康づくりプログラムを社員に提供し、健康増進を広く呼び掛けています。毎日の食事のメニューを報告することで栄養士から個別のアドバイスが得られるプログラムや、睡眠の質の改善を目標に睡眠に関する学習コンテンツと生活習慣のアドバイスが得られるプログラム、また、肩こりや腰痛の改善を目的とした運動支援のプログラム、社内の参加者と一緒にウォーキングに取り組めるプログラムなどを提供しています。

健康づくりプログラムの利用者数

プログラム 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
食生活改善プログラム 78名 30名 46名 16名
睡眠習慣改善プログラム 90名 - - -
腰痛予防プログラム 100名 189名 194名 121名
ウォーキングイベント - - 1,187名
(全社員の18.6%)
933名
団体戦 79グループ

ウォーキングイベント

2022年度~2023年度は、健保と共同でスマートホンアプリを用いたウォーキングイベントを開催しました。2023年度のイベントの参加者はazbilグループ全体で933名、団体戦では79グループの参加がありました。参加者へのアンケート結果からは、参加者の約51%がイベント参加をきっかけに歩数が増えたと回答しています。また、運動や自分の健康への関心が高まった、職場内のコミュニケーションが活性化したとの肯定的な意見も多く寄せられました。

10. 受動喫煙防止対策

社内の受動喫煙防止対策を2013年度より本格化し、屋内の全面禁煙など空間分煙の対策や、禁煙に関する社内の情報提供や個別の保健指導などを行ってきました。2020年度には中期的な取組みに「2023年度からの就業時間内禁煙の実施」を掲げ、各事業所で禁煙タイムを設けるなど段階的な取組みを開始し、2023年4月からは就業時間内禁煙を全事業所で実施しています。

2021年度から医療機関で禁煙治療を行った社員への費用補助や、ニコチンガムの試供(3日分)など、禁煙を応援する取組みを実施しています。こうした取組みを通じて社員の喫煙率は、年々減少しています。

社員の喫煙率

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
社員の喫煙率 24.8% 23.9% 22.1% 21.5% 21.1% 20.4%
ニコチンガムの試供(3日分) - - - 76名 19名 6名
禁煙外来の費用補助 - - - 5名 0名 0名

11. 高年齢化対策

社員の高齢化に伴う、持病の悪化による労働損失、体力の低下に伴う事故や災害などの予防対策として、転倒事故防止のための体力測定(『転倒等災害リスク評価セルフチェック(中央労働災害防止協会)』を元にしたプログラム)を実施しています。2020年度はコロナ禍によるテレワークの推進により、在宅勤務を行っている社員が増えたため、社内で実施する体力測定の実施率が低下しましたが、2021年度からは、在宅勤務でも安全に実施できるプログラムに変更して実施しており、実施率が向上しました。年度末年齢で35歳、40歳、45歳、50歳、55歳以上の社員を重点対象者と設定し、積極的に実施を呼びかけています。

また、2020年度には常勤産業医・常勤看護職によるワーキンググループを組織し、約1年間をかけて、高年齢社員の健康問題について議論し、予防対策の立案を行いました。体力測定(セルフチェック)の実施率を向上させることで、健康管理や体力づくりのきっかけとしてもらうほか、今後、体力の低下の状況に応じた保健指導や就業上の配慮等、個別の健康管理にもつなげていく予定です。

体力測定の実施率

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
体力測定の実施率(全体) 49% 54% 30% 66% 65% 68%
体力測定の実施率(重点対象者)
※年度末年齢で35歳、40歳、
45歳、50歳、55歳以上
- - - 82% 79% 78%

12. アルコール依存症対策

2020年度よりコロナ禍のストレスや在宅勤務等を背景に、アルコールによる健康障害の問題が発生するようになりました。そこで、2021年度に、事例が生じた時の社内の対応手順などをガイドラインとして定め、各事業所で適切な対応ができるよう、担当者への教育を実施しました。

また、社員に対してもアルコールによる健康障害の予防についての啓発や情報提供を継続的に実施しています。

13. コラボヘルスの取組み

人事部とazbilグループ健康保険組合とで月1回の定期的なミーティングを行い、それぞれの活動計画や活動内容についての意見交換を行っています。特定健康診査、特定保健指導、健幸づくりプログラム、がん検診の受診率の改善、禁煙サポート施策、健康診断項目の見直しなどについての議論を行っています。

特定健康診査・特定保健指導の実施状況

2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
特定健康診査 受診率
(40歳以上、社員)
89.8% 97.3% 97.6% 98.2%
特定保健指導 実施率
(社員)
44.1% 42.8% 45.3% 40.4%
(2024年6月現在)

※特定保健指導の実施率が確定するのは毎年9月末頃。

こころの健康管理の取組み

14. 長期休業者の職場復帰支援

こころの健康問題によって休業した社員の職場復帰支援の社内プログラムを2019年度に見直しました。休業中の定期的な産業医面談、生活記録表を用いた復職可否の判断、復職後6カ月間の業務計画づくりなどを取り入れ、社員が安心して治療に専念できる取組み、安心して復職できる取組み、復職後の再発を防止するための取組みを行っています。その結果、メンタルヘルス不調の職場復帰支援に関して、復職1年後の出社継続率が66%から89%へと改善の効果が見られています。また、オンライン会議システムを用いた産業医面談なども取り入れ、社員の健康相談や、休職者・復職者のサポートを行っています。

一方、2021年度よりメンタルヘルス不調による休業者が増加しています。2022年度には、メンタルヘルス不調による休業者の年代別、職種別の分析を行いました。その結果を受けて、2023年度からは、産業医・産業看護職による個別面談、パルスサーベイによる健康状態のチェック、相談窓口の利用促進、キャリアとメンタルヘルスに関する研修の実施など、若手社員に対するメンタルヘルス対策を強化しています。

メンタルヘルス不調による長期休業者の状況

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
初回の休業者数 29 24 30 44 38 48
再休業者数 15 14 11 16 18 14
合計 44 38 41 60 56 62

※集計年度内に休業を開始した人数を集計。メンタルヘルス不調による長期休業がはじめての場合は「初回」、過去に長期休業歴がある場合は「再休業」と分類。

15. ストレスチェック・社員意識調査

毎年、社員意識調査・ストレスチェックの結果を職場ごとに分析・評価し、職場のマネジメント層と人事部等で、ストレスの少ない職場づくり、ハラスメントのない職場づくりに向けた対策の検討を行い、職場環境の改善に取り組んでいます。

ストレスチェック受検率、高ストレス者割合

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
ストレスチェック受検率 90.5% 84.1% 85.9% 96.9% 97.6% 95.9%
高ストレス者割合 8% 8% 7% 8% 9% 9%

16. 管理職向け・社員向けのメンタルヘルス研修

メンタルヘルス教育として、年1回、管理職向けのeラーニング(全員)、オンライン研修(任意参加)、社員向けのオンライン研修(任意参加)を実施しています。管理職向けの研修では、部下の不調への気づきのポイントと、適切な社内窓口へのつなぎ方、ストレスの少ない活き活きとした職場を作るためのマネジメントの仕方などを扱っています。全社員を対象とした研修では、主にストレス対策や働きがいを高める工夫などを取り上げています。

17. 外部EAP機関の活用

メンタルヘルス関連サービスを提供する外部EAP機関と契約し、社外の相談窓口としての利用のほか、各事業所を訪問しての社員との面談、海外勤務者との定期的な電話面談などを実施しています。

その他の健康管理の取組み

18. 過重労働対策

社員一人ひとりの総労働時間の削減と適正な労働時間管理に取り組んでいます。2016年度には社長を本部長とする「働き方改革本部」を設置し、取組みを加速することで、1カ月の残業時間45時間を超える社員数が大きく減少しています。

19. 海外勤務者の健康管理

海外赴任中の社員と帯同家族に対して、海外赴任中も年に1度、健康診断を行っています。また、赴任者には定期的(赴任から3カ月後、以後6カ月ごと)に、産業心理職による電話相談を実施し、体調面・生活面・心理面のサポートを行っています。過重労働者への面接指導についても、国内と同様の基準で実施しています。

20. 新型コロナウイルス感染症対策

新型コロナウイルス感染拡大防止に向け、アズビルでは事業の継続と社員の安全を第一に考え、これまで一部の社員に導入していた柔軟な勤務時間の制度と在宅勤務をほぼすべての社員に拡大し、積極的な利用を推奨しています。

2020年4~6月にかけては、定期的に社員へのアンケート調査を行い、社員のストレスなどについてのモニタリングを実施しました。ワクチン接種についても、就業時間内の接種を認めるほか、接種当日~翌日の副反応による特別休暇(有給)の制度を設けました。(2024年4月末まで)

2023年度以降も、手洗いの励行や、体調が悪い時は出社を控えるなどの基本的な感染対策は継続しながらも、社内の行動制限は段階的に緩和しています。